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日本移民のふるさと=水郷レジストロを行く(4)=亡き父母に会う気持=灯篭流しに毎年来る人々

11月10日(水)

 午後六時ごろ、「第五十回レジストロ灯篭流し」の会場に到着すると、リベイラ川沿いにはすでに観客が集まっていた。灯篭流しを見るにはまだ明るい。
 人々に混じって見ていると、一艚の舟が川を下ってきた。川のお清めだ。赤、青、緑、白の昇り旗数本と鯉のぼりを靡かせ、和太鼓の勇壮な音を響かせて、舟はゆっくり進んでいった。
 広場に戻ると、ヤキソバ、テンプラなどを売る店の前に並べられたメーザでは、マンジューバの刺身を肴に酒盛りが始まっていた。
 レジストロ名物マンジューバは、リベイラ川で捕れる体長十センチほどの川魚で、今が旬。「フリッタならサンパウロでも食べられるけど、刺身はここでしか食べられないよ」。灯篭流しよりもマンジューバを楽しみに来た、と言わんばかりだ。
 それにしても、こんなに小さな魚を大量に捌いて準備するのはさぞ大変だっただろう。金子広報部長も、「レジストロのマンジューバが本物だったって、しっかり書いといてよ!」と威勢がいい。
 「そろそろ流れてきたぞ」との声に再び川沿いへ行ってみると、上流からぼんやりと赤・白・橙の光を放ちながら無数の灯篭が流れてくるところだった。
 リベルダーデ歩こう友の会の旅行にいつも参加しているという、ジャシラ・セウグリングさん(75)は、亡き父と母の名前を書いた灯篭を見送り、涙した。「お父さん、お母さんに会う気持ち」で毎年のように足を運んでいるという。
 灯篭を見ようと川沿いにはずらっと人々が並ぶ。この日の人出は五千人以上は確実。「今までで一番多い。実際のところ、何人いるのか見当がつかない」と役員は話す。 
 広場の特設テントの下では、レジストロ文協和太鼓や鳥取県人会の傘踊りなどが催されており、人々は次第に川沿いからテントの周りへと移ってきた。
 盆踊りは、和太鼓を中心に巨大な円を作り、大人も子どもも巻き込んで繰り返し繰り返し踊られた。
 「覚えてるか不安だったけど」と心配しながらも、友人たちと盆踊りを踊った氏家邦子さん(66)は、「去年は土砂降りでどろんこになった。去年より灯篭も多くて、すごくにぎやかだった」と、満喫した様子。
 大輪の花火がリベイラ川の上に上がり、二日間のプログラムは全て終了。歩こう友の会は、サンパウロまでの帰途についた。
       おわり
    (大国美加記者)

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