11月19日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十八日】通貨政策委員会(COPON)は十七日、基本金利(SELIC)を年一七・二五%に引き上げることを決定した。今年に入り五度目の調整となる。COPONは通告書の中で、引き上げは金利政策の一環で、さらに引き上げる可能性もあることを示唆した。一般的には予想されたことと受け取められているものの、商工業界は年未商戦に歯止めがかかるとし、金融専門筋はインフレ抑制を考慮しての引き上げには問題があるとして、反応はまちまちだ。十七日の株価は一・六七%上げ、ドル相場は〇・八三%のドル安と金融市場は平静さを示した。
今回の引き上げは前回(十月二十日)の引き上げ幅と同じく〇・五〇ポイントで、中銀によると九月に発表した金利政策に準じたものだという。GDP(国内総生産)の成長に伴い、インフレ上昇が危惧されるため、年内に段階的に金利を引き上げるとの姿勢を中銀は打ち出した。これにより今回の調整は今年に入って五度目となった。
SELICは二〇〇三年二月に二六・五〇%の最高値に達して以降六月から引き下げられ、同年十二月には一六・五〇%となった。さらに本年に入り三月十七日に一六・二五%、七月二十一日には一六%と最低水準に達した。その後、中銀の金利政策の変更により引き上げに転じ、九月十五日には一六・二五%となっていた。
市中銀行筋では、中銀が広範囲消費者物価指数(IPCA)を月〇・四〇%から〇・四五%と予想していたのに対し、現在〇・五〇%から〇・五五%で推移していることを踏まえると、SELICの引き上げは妥当としている。原油の国際価格が一段落し、ドル相場も下落しているが、景気回復に伴って一般消費が加熱しているためインフレ上昇は避けられないとみられている。
いっぽうで経済の専門筋は、インフレ抑制のための金利引き上げは前回だけで十分で、今回の引き上げは生産を上げるべく設備投資を計画している企業に水を差すものと評価した。金利引き上げよりも政府の支出を抑えるべきとし、〇・五%の金利引き上げは国家債務を年間二十億レアル増やす結果になると指摘している。市場の反応はさまざまで、年未までにさらに引き上げられて一七・五〇%になり、来年第1・四半期には一八・二五%達すると見る向きもある。
今回の引き上げにより、商店での金利は年一〇二・五九%となり、クレジット・カードは二一六・二五%、シェッキ・エスペシアルは一六一・二一%、銀行CDCは五三・九三%、銀行の個人貸し付け一〇〇・七六%、金融機関の個人貸し付けは二九七・六〇%となりこれらの平均は一四四・〇九%に引き上げとなる。