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「薬草、信じて使うこと」=自分に合ったものを選ぶ=博物研究会が初の講座=秋末教授、わかりやすい説明

12月2日(木)

 「これは効く。信じる気持ちが無ければ、薬草は効き目がない」。博物研究会(越村建治会長)主催の初めての薬草講座が二十八日午前九時から、サンパウロ市サウーデ区の東京農大会館であった。秋末剛吉ブラガンサ・パウリスタ・サンフランシスコ大学薬学部教授(元USP教授)が「薬草の効果と品質管理」をテーマに講演。約百人が聴講した。
 例えばグァサトンガは胃腸薬に、エルバ・ドーセは鎮静剤、ジャボランディは目薬になる。しかし、「植物に含まれる各種の成分の働きによって、効果が現われるのが薬草の特徴。成分の一つだけを取り出して利用した薬は、化学薬品になってしまう」。
 薬効は、時期、気候、土壌などに大きく左右される。カモミーラは、花が咲いて枯死する直前に採取したらよいという。
 秋末教授はエッセンシャル・オイルを抽出する装置を持込んで、その機能などについて説明。植物性の医薬品やエルバ・ドーセ、フンションのサンプル・オイルを回した。ユーモアなども交え、聴衆をぐいぐい話に引き込んでいった。
 健康茶の飲用は出席者が得たかった情報の一つで、催促の声も上がった。秋末教授は「たくさんの薬草を混入して飲むと、効果が薄れる。多くても三種類ぐらいで留めておくのがベスト」と見解を示した。
 さらに、「あまり高熱で熱しすぎると、蒸気と一緒に有効成分が逃げてしまうので中火でほどほどに煎じたほうがよい」とも。
 露天商(カメロー)が販売している品物の質について、質問が出された。これに対して、「成分分析した結果、排泄物に含まれているバクテリアが見つかったことがあり、衛生状態が悪い」とした。
 成分を注射することも否定。「効果や安全性がきちんと確かめられていないので、控えたほうがよい」と警告した。また、一つの薬草は約二カ月程度で体に慣れてしまうので、同じ薬効が望めるほかの薬草に変えるように勧めた。
 秋末教授は最後に「一人一人に合った薬(medicamennto de personalizado)が必要で、薬草が全ての人に効くとは限らない。一番は、信じて使うことです」と述べ、講演を締めくくった。

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