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佐藤常蔵氏にキガール賞=サンパウロ歴史地理協会

12月10日(金)

 コロニアでも有名な随筆家で、九七年に故人となった佐藤常蔵さんのブラジル歴史研究などの業績にたいし八日午後七時、百十年前に創設されたサンパウロ歴史地理学協会からポール・ドノバン・キガール賞が贈られた。授賞式はサンパウロ市セントロ区の同協会サロンで行われ、代理でブラジル日本文化協会の清原健児相談役に授与された。
 佐藤さんは、一九〇七年北海道函館市に生まれ、二二年にサンパウロ州ヴェラ・ヴィスタ耕地に入耕。二七年にサンパウロ市に出て「農業のブラジル」社に入社し、編集や外交の仕事に従事した。三一年には同社の経営責任者として、執筆と経営を任され、農業知識の普及、文化や文芸を通じて、コロニアの生活向上に貢献した。
 またブラジル歴史研究家として歴史、地理、文化に健筆。『ブラジル風物詩』、『ブラジルの風味』など多数の著作がある。元文協理事。七五年には日本政府より、勲五等旭日章を授章した。
 ポール・ドノバン・キガール賞は、文化、芸術、宗教や地域発展に貢献した功労者の名誉を記念するために今年制定された。今回の授賞式では佐藤さん、ニューヨーク大学教授のゴードン博士、セーザー・サウガード元サンパウロ州検事総長ほか六人が受賞した。

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