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イチゴ、日本へ初輸出=ピエダーデ,厳しい審査基準乗り越え=日系リーダーの10家族

12月14日(火)

 【オ・エスタード・デ・サンパウロ】ピエダーデ産のイチゴが、史上初めて日本の日本人家庭の食卓に登場する。その第一陣となる二十トン冷凍コンテナーが五日、サントス港で船積みされ横浜港へ向かった。最終行き先は、東京市場となる。
 ブラジル側の根強い交渉が功を奏し、二年前に日本側は品質および衛生管理、検疫の基準をクリアーすることを条件に門戸を開放した。
 これに対しピエダーデ市の日系をリーダーとする農家十家族が挑戦し、今回の初出荷となった。リーダーの一人ミルトン・アンドウさんは、日本の厳しい条件に試行錯誤を繰り返したと述懐する。苗から収穫方法まで全てを変えた。苗はテリ産を厳選し、採光や肥料、潅漑に至り、日本人農業検査官の指導を仰いだ。検査は、潅漑の水質まで及び、その厳しさに驚いたという。
 さらに十家族による加工工場を設立し、選別から冷凍加工までを整備。これにともない新会社アリメント・ピエダーデを設立し、二十五人の従業員を雇った。今季は十万株の苗だったが、来季は十四万株をすでに調達済みとのこと。今回の日本向け売値は、キロ当たり一ドル五十セント(四・二〇レアル相当)で、国内価格五・二〇レアルよりも安いが、アンドウさんは、「将来に託している」と力強く断言した。

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