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コラム 樹海

  リベルダーデ文化福祉協会による「東洋祭り」は、新味がなかった。観衆という参加者が、面白く、楽しい、これは!という催しを求めているのに、主催者が応えていない。毎年同じようなので、飽きられているのだろうか。観衆は、もうあきらめているのかもしれない▼祭り当日、人出はまずまずだった。だが、祭りを観にだけ来たのではないことはすぐ分かった。ナタール、年末の買い物である。商店内は人込みしているが、「だしもの」のほうにさほど関心を示さない。この時期、東洋街の商店の売上げを大きくするための催しであれば、ある程度は成功している▼「だしもの」をもっともよく観ることができるのは、一段高く席を設けている来賓席だ。パレードをしない芸能グループは、同席の前でのみ固まって芸を披露する。来賓席から離れたところで、ロープ(綱)で〃整理〃されている人たちは、首を横にして、遠景しか見物できない。目の前で出番を待っているグループの衣装だけは楽しめる▼出演者も観衆も数が減っている。往年、踊りのパレードに参加した高齢女性は、ガウヴォン・ブエノ街に立ち「わたしたちが踊っていたころは、この辺を通り、見物人もカウサーダにぎっしりだった」と懐かしんでいた。祭りも三十六年を経て、衰退したといわざるを得ない▼さまざま目移りして、何が関心の的になるかわからない近年、主催者は祭りを開催する目的を再確認し、継続するなら企画を練り直す必要があろう。  (神)

04/12/17

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