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文協50周年ロゴ決まる=波模様で日本の伝統表現

12月18日(土)

 ブラジル日本文化協会(上原幸啓会長)は創立四十九周年記念日の十七日、イビラプエラ公園の日本館で五十周年ロゴマークを発表した。「四十九年前のこの日、ここにいる原沢和夫さんら、何人もの夢見る人々によって文協は創立されました」と、上原会長は挨拶した。
 当日は原沢和夫さんら創立会員、五十周年記念委員会の松尾治総合コーディネータ、小川彰夫広報理事、同小委員会の各コーディネータ、同館運営委員ら約三十五人が集まった。
 このロゴマークは、三社のデザイン会社が候補作を出し、広告代理店DPZ社の専門家二人が三週間前に選考したもの。当選作品を描いたのはA10デザイン社長のタケダ・マルガレッチさん(41、二世)。
 「文協の大事なロゴマークの仕事ができて大変光栄です。日本の素晴らしいデザインを、なんとかブラジルに持ち込みたいと願っていた私の願いが叶いました」と喜んだ。
 ロゴマークは三部分からなり、上の「50anos」は現代性を、中心に文協のマーク、下には伝統的な日本の波模様をおき、現代と伝統の二つの統合を意識してデザインしたという。全体的に赤が基調。「浮世絵、サムライなどを意識して波模様にした。自分なりに日本らしさを表現できたと思う」と、達者な日本語で語った。タケダさんは岡山県費留学生として、日本で美術研修した経験もある。
 A10社は、五十周年にちなんがTシャツ、便箋、封筒など、いろいろな物品を作る時にロゴマークを入れたデザインを作る。市価より大幅に値引きした実費で文協に協力することを申し出ているという。
 選考にあたったDPZ社アート・ディレクターのパウロ・ロブソンさんは、「現代と伝統がうまく表現されているロゴマークだ。シンプルかつ応用の利くデザインで、他の色に置き換えれば、もっと展開を図れる」と高く評価した。
 同社はイタウー銀行、味の素、VIVO(携帯電話)などの広告を手がけるブラジル最大手の代理店。文協の文化担当理事の太田レオ進さんによれば、同社は無償で五十周年関連イベントの新聞、雑誌等における広告制作に協力をすると申し出ているという。
 タケダさんは記者会見のお土産用に、特別に五十周年ロゴ入り風鈴を用意。「日本では風鈴が〃良い風〃を運んでくるとして、お金、健康などを呼び込むものと思われている。だから、改革を進める文協に五十周年という新風をという意味を込めて作りました」と説明した。
 上原会長は、「「ロゴマークを発表する今日からスタートです。来年の今日、五十周年記念日を目指して、これから本格的に動き始めます」と意気込みを語った。

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