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コラム 樹海

 日伯友好病院(援協)はさきごろ、患者が日常使用するピジャマ、枕カバー、敷布などを奉仕活動で縫ってくれるグループに感謝する昼食会を催した。歳末恒例の行事だった▼グループは、現在、日本人と日系二世の女性二十四人だという。平均年齢七十七歳。〇四年一年間に二人が死亡、五人が新たに加わった。五人が加わっても平均年齢が七十七歳と高いのは、若い人たちの参入がないということだ▼高齢であっても、心身ともに健康でなければ、ボランティア活動はできない。身体が丈夫なだけでなく、自分にできることは手伝おうという、志(こころざし)がないと続かない。家族の支え、理解も要る▼リーダーは今年七十九歳だった。八年続けているそうだから、七十一歳の時にグループに入っている。けっして早いスタートではない。一般には子育てが終わってから、若いときできなかったことを楽しみ、ゆったりとした老後が送られれば、それが女性の理想的で豊かな生き方だといわれる▼豊かな、というのは、必ずしもお金に余裕があることを意味しない。むしろ気持ちのうえで豊かということだろう。家事から解放され、人のためになる、病院で使用される衣料品の整備を行う奉仕の時間がとれるなど、最高だ、とグループの女性たちは思っているのではないか▼同士が集まれば、そこは「社交の場」にもなるのだろう。忙(せわ)しない年末に知らされた、高齢女性たちのボランティア活動。聞く側の気持ちも和む。(神) 

04/12/24

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