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人々の不安に付け込む犯罪の怖さ

 ゴイアス州州都のゴイアニアに近いアパレシーダ・デ・ゴイアニアで17日、インフルエンザの予防接種ワクチン1050人分が盗まれ、夜、男性2人が逮捕された▼警察によると、この内の1人は看護師で、ネットで宣伝して、非合法に予防接種する闇商売をしていた。2人は逮捕時、1千人分余りのワクチンや接種証明用のカード、注射器などを持っており、1人80レアルで予防接種を行っていたという。2人は第3者からワクチンを受け取ったと供述しているが、この人物は未特定だ▼このニュースを聞き、他人の不安を非合法に利用しようとする輩はどこにでもいるものだと改めて思った。同州ではH1N1型インフルエンザで13人が死亡しており、他州に先駆けて13日から予防接種を始めた。同州では2日間で2件目のワクチン盗難だったという▼他州でのインフルエンザの予防接種は23日からだから、まだワクチン盗難は起きていないだろう。だが、皆が黄熱病の予防接種を受けようと騒いでいた時は、空の注射器を腕に刺しただけで、「接種終了」と言って料金を受け取るという詐欺が起きた▼今回摘発された盗難事件のワクチンは全て保健所に戻されたが、ゴイアス州政府がワクチン不足を恐れて連邦政府に追加を要請した中での盗難は穏やかではない。黄熱病ワクチンの詐欺の場合は、予防接種を受けたからと安心して危険地帯に出かけた人が黄熱病に感染する可能性が高く、被害者は命の危険にも晒される。日本では「医は仁術」(医は人名を救う博愛の道)という言葉まである。目先の利益に目がくらみ、国民を危険に晒すような企みに看護師が加担していた事もコラム子の気持ちを暗くさせた。(み)

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