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〃オーロラ味噌〃作りに励み=グァタパラ婦人会 日本でも評価されて

1月25日(火)

 グァタパラ移住地で、〇三年から婦人会(高木みよ子会長・山形県)が中心となって進めてきた、パラグァイ国イグアスー移住地特産の非遺伝子組み替え大豆「オーロラ」を原料とする味噌作りに弾みがついてきている。大豆が順調に確保できる道がつき、製品が日本でも「優良品」と太鼓判がおされたからである。
 昨年十一月下旬、婦人会の会員が日本に里帰りした時に、オーロラ味噌を見本として持参して、茨城県つくば市の矢田部農協に届けた。
 ブラジル農協婦人部連合会(ADESC)から、日本の普及員を派遣して欲しい、との要望を受けた全国農業拓植協同組合連合会(農拓協、JATAK)が、二〇〇一年五月、矢田部農協で生活改善普及員をしていた青木道子さんに白羽の矢を立て、ブラジルに派遣した。当時、青木さんはグァタパラ移住地も訪問して婦人会に活性化のための助言を行った。
 その時の縁が生きて、青木さんを介して、オーロラ味噌の見本が矢田部農協に届けられたのだ。矢田部農協では女性部が手づくり味噌を手がけている。もともと自家用だったが、味と品質に評判を得て販売するようになり、現在に至っているという。
 同農協では生活二課が女性部も担当している。グァタパラ産「オーロラ味噌」が矢田部農協女性部員から、「私たちが作るものと全く遜色のない一級品」との太鼓判を得たのである。苦労が報われたような評価だ。
 「私たちは麹(こうじ)と大豆を二大要素と考えています。麹は日本米を原料としています。ブラジル米では甘みが出ないからです。オーロラ大豆はタンパク質だけでなく、甘みも多いです。相乗効果で美味しい味噌ができるのです」と高木会長が一級品味噌を作る秘訣を明かした。
 移住地婦人会では、高木さんの他に加工部長の斎藤君江さん(パラナ州アサイ生まれ)や脇山千寿子さん(島根県)らが中核となって味噌作りに精力的に取り組んでいる。
 婦人会員にオーロラの生育現場を見て励みにしてもらおうと、川上淳グァタパラ農事文化体育協会会長(茨城県)が、一月十九日に案内したのが新田孝二さん(島根県)の畑だ(写真)。
 パ国イグアスー農協(井上幸雄組合長・奈良県)から〇三年十月初旬に購入した種子五十キロを同月十七日に蒔いた畑だ。文協の委託栽培のため、三月頃と見込まれる収穫作業は文協が行うことになっている。オーロラが順調に育っているのを確かめた婦人会員たちは、新しい大豆で作る味噌に夢を膨らませたようだ。
 グァタパラ移住地管内にあるJATAK農業技術普及センターでは、種子採取を目的にオーロラの試験栽培が行われている。担当の牛膓英夫(ごちょうひでお)・育種専門家も「オーロラはタンパク質が高く、味噌、豆腐、納豆に最適」と太鼓判を押している。オーロラ味噌も「山くらげ」と並ぶグァタパラ移住地の特産品になりそうな勢いだ。

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