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日伯合同で心臓健診センターを=秋葉厚労副大臣も視察=病院、メーカーが共同で=Incor「日本の技術取り入れたい」

ニッケイ新聞 2013年5月7日

 USP附属総合病院心臓研究所(Incor)、東京医科大学病院、医療機器メーカーの日本光電工業が共同で、日本の経済産業省の補助金を受け心臓(循環器)健診センターを構築するプロジェクトが始まっている。先月29日には秋葉賢也厚生労働副大臣が同院を視察し、ルイス・ボルトロット教授や理事のジョゼ・エドゥアルド・クリーゲル教授らと面談した。「医療を高度化するため、日本のモデルを取り入れたい」との要望に、「しっかりバックアップする。具体的な案件があれば気軽にご相談いただきたい」と今後の継続的な支援を約束した。最先端技術の導入で、心臓病患者の早期発見に期待がかかる。

 安倍政権の成長戦略の一つに医療が据えられ、医薬品や医療機器だけでなくシステムや技術、サービスなどを含めた日本の医療全体のノウハウを新興国に輸出し、医療の国際展開を図る方針が固まった。その先駆的なプロジェクトとなる。
 プロジェクトのコーディネーターでIncor心臓・肺臓学部のボルトロット教授によれば、既に健診は一部で試験的に行われており、今後は一般のブラジル人に加え、日本の進出企業や民間企業の社員を対象にした健診を実施していきたい考えだという。
 日本公電は最新技術の心電図測定機器を提供する。同社ブラジル法人の栗田秀一社長によれば、現在はまだ国家衛生監督庁(ANVISA)で医療機器登録の申請中で、承認を待っている状態だ。
 「今後、日本の医療がもつホスピタリティをブラジルにも導入することで、病気の予防に役立つことができれば」と期待を込める。
 健診は循環器、心臓系に特化したもの。将来的には民間の保険会社との契約や、メトロ従業員への特定検査セットとしての心臓健診の提供も検討されている。
 また、健診を行うほかにIncorでは新たな技術を持つこの機器を評価する調査研究が実施される予定だ。東京医科大学病院では、既に同様の調査が行われている。
 ボルトロット教授は本紙の取材に対し、「サンパウロ州は日系コロニアが一番大きい。日系人を研究の対象として進めれば、より興味深い研究ができると思う」と調査に関する見解を語り、「心臓病に限らず、全ての(USP附属)病院の分野で関係を強化すべく、日本政府の協力を得られれば」と今後の支援にも期待している。

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