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「ブラジルにもあれば」=宮城さん実地見て沖縄青年隊訓練所

2月17日(木)

 [既報関連]サンパウロ市ビラ・カロン在住の宮城調智さんは、このほど、さきに本紙が伝えた「沖縄開発青年隊訓練所」(一月十四日付)に関して、ブラジルでも同様の学校を設立し、心身ともに健全な青年教育を行いたいもの――と気持ちを伝えてきた。
 宮城さんは、六年前、ブラジル日本移民九十周年事業の件で、仲川實留沖縄県人会長(当時)とともに訪沖、当時、沖縄産業開発青年協会理事長の永山研次氏と会った。仲川さんも青年隊出身、永山さんも宮城さんも青年時代、沖縄青年連合会の理事をつとめていたので、旧知の間柄だった。二人は、青年隊生みの親、瑞ケ覧長仁氏(故人、沖縄青年連合会会長、立法院議員)らと、青年隊結成のため東奔西走した。
 訪沖時、永山理事長の案内で、沖縄県北部東村の高台にある青年隊訓練所を訪問した。理事長は、職員に訓練生を集めるよう命じた。集合の鐘が響くと、一分もたたないうちに、百二十人の隊員が整然と並んだ。理事長が、仲川さんと宮城さんを隊員の前に案内、「ブラジルからお見えになった先輩に対して敬礼!」と声をかけたところ、軍隊ではないかと思われる、規律正しい敬礼を受けた。
 二人は、「いまどき、わがまま自由に暮らしている若者たちが、どうして好き好んで、このような厳しい規律のところに飛び込んでくるのか」と理事長に質した。
 答えは「健全な全人教育を行っているので、就職はまったく心配がない、全国からひっぱりだこ」。
 全寮制で朝六時起床、午後十時就寝。体操に始まり、昼は主に実習、夜は学科が中心。毎日、厳しい規律とカリキュラムによって指導が行われる。六カ月間で十種類の公認免許(農業技術、大中小自動車、クレーン、ブルドーザー、トラクター、建築用重機、溶接技術など)。卒業前から日本国内、県内から就職依頼があり、一〇〇%近く決まる。信用は絶対、だという。
 訓練生のなかには琉球大学、内地の大学卒業者も数名いた。宮城さんは「ブラジルでもこうした学校があれば」と羨んだ。

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