ホーム | 日系社会ニュース | カンポスの伝統ある劇場に=クラウディオ・サントーロ=日本の歌カラオケが響いた=桜ホーム支援歌謡祭成功=出演申込み断るほど

カンポスの伝統ある劇場に=クラウディオ・サントーロ=日本の歌カラオケが響いた=桜ホーム支援歌謡祭成功=出演申込み断るほど

3月2日(水)

 高原の町、カンポス・ド・ジョルドン。冬祭りのコンサート・ホールとして有名な「アウディトリオ・クラウディオ・サントーロ」が二月二十八日、日系人によるカラオケの舞台になった。万年赤字に悩む桜ホーム(与座ヒロシ・ホーム長、辻雄三経営委員長)の運営費を捻出しようと、約三百四十人が支援歌謡祭に出場。抜群の音響効果を味わいながら、自慢の「のど」を披露した。
 この音楽堂は、ブラジリア交響楽団の初代指揮者で現代クラシック音楽の作曲家、クラウディオ・サントーロ(一九一九─一九八九)を顕彰するために建築されたもの。ソプラノ歌手のアンジェラ・ジェオルフィンやテノール歌手のロベルト・アラグナらが冬祭りで、舞台に立っている。
 管野鉄夫桜ホーム経営副委員長(援協理事)が知人であるエリアーネ・マッシャード州文化局サンジョゼ・ドス・カンポス支部長に施設の窮状を説明したところ、無料で会場を提供してくれることになり、支援歌謡祭が実現した。
 「賃貸料はいろいろと付けてあります。一般への貸し出しは、事前の厳しい審査があるので、結構難しい」(マッシャード支部長)。日系団体が使用するのは、初めて。宿泊施設も無料で貸してもらえるという〃おまけ〃もつき、百六十人余りが前日から駆けつけた。
 来賓の丸橋次郎首席領事は開会式の挨拶で「カラオケ大会は毎週末に各地で開かれており、珍しいものではないが、今日は(アウディトリオ・クラウディオ・サントーロを使って)日系初の慈善プログラム。お祝いを言いたい」と述べた。
 支援歌謡祭では、ヴァーレ・パライバーナ音楽協会会長の中村貞夫さんがボランティアで、コーディネーター役を買って出たほか、農機具メーカー大手のジャクト農機(ポンペイア)が一万レアルを寄付した。
 サンパウロから来た石井澄子さん(二世)は「ちょっと緊張しましたが、とても気持ち良かった」と満悦そうに語った。 午前八時に始まった歌謡祭は、深夜まで続いた。辻経営委員長は「誰もが一度は、歌いたいと思う会場。出場希望者が殺到して、断らなければならない人もいた。来年は二日間でやりたい」と、企画が当たったことを喜んだ。
 当日には桜ホームを運営する援協の酒井清一第一副会長(会長代行)、ディネアス・フェルナンデス・デ・アギアール副市長、重田エウゾ文協理事、北川彰久日伯音楽協会会長らが来賓として招かれた。

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