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若い力で盛り上げ大成功の文化祭り=多彩な行事、1万人が来場=文協

3月16日(水)

 大成功です。来場者が一万人を越えました―。今回十三回を迎えた文協慈善バザー改め、文化祭りの実行委員長、秀島マルセーロ第七副会長は喜びの声を上げた。今までのバザー方式を大きく刷新、演芸、アニメ、音楽、スポーツなどを取り上げたイベント色の強い催しとなった今回、多くの来場者が日本文化に触れた一日となった。大講堂で壇上に立った上原幸啓会長は「文協はチームワークが大事。若い人たちによる開かれた文協をみてください」と呼びかけた。

 千二百人を収容する大講堂が満席となり、カラオケや太鼓、民謡、剣道の演武に会場から送られる大きな拍手。たこ焼きにかぶりつく子供たち。書道や生け花の展示―。
 コロニア芸能祭と日本祭りが合体、それに日本文化をまぶしたような印象さえある今回の文化祭り。もっと日本文化を知ってもらい、より多くの来場者を呼びこもう、と若者を中心に企画された。
 従来、館内の駐車場で開いていた慈善バザーを大きく刷新、文協創立五十年に当たる今年、新しく生まれ変わった。
 青年文協、アセベックス、アベウニ、エスコテイロ、青年会議所、モビメント・ジョベンなどの代表約百五十人が準備に取り組んだ。若者の力で成功させようと、秀島委員長を中心にイベントの盛り上げを図った。
 小泉首相の揮毫が展示された貴賓室では、書道や茶道、生け花のデモンストレーションが披露。琴や尺八の演奏もあり、来場者たちは日本の古典音楽に耳をすませていた。
 展示室では、そろばんや碁、将棋などの指導も行われ、「この駒はどう動くのか」と熱心に聞く非日系の若者も見られるなど、静かなブームの兆し。お灸などの東洋医学コーナーも注目を集めていた。
 午前中は古本市が開かれ、読書好きの一世たちが多く訪れた体育館。午後からはソフトボールやゲートボールなどスポーツに汗を流す若者たちでにぎわった。連続してラリーを続ける卓球の妙技には、感心の声が上がっていた。
 体育館の一角に設けられたアニメコーナーでは、絵の書き方のレッスンが行われ、似顔絵を書くブースには行列も。
 小講堂では「ウルトラマン」などのアニメを放映。会場を訪れた中島剛事務局長は「懐かしいですねえ、これはセブンですか」と、かつてのテレビっ子ぶりを覗かせていた。
 神輿なども展示された大サロンには、「文協ネット(www.bunkyonet.com.br)」のブースを設置。文協ネットは、全伯日伯団体の相互交流を促進し、日本文化の普及とその関連イベントを幅広く広報することを目的としているものだ。
 現在はポ語のみのサイトとなっているが技術面をサポートするATECHの村杉哲也さんによれば、「これから全伯の団体に呼びかける」とのこと。
 伝田英二副会長は「現在、千五百ほどのアクセスがある」と説明しつつも、「完全に文協ネットが機能するまでには少々時間がかかる。同時に協力企業も募りたい」と呼びかけた。
 ガレージを利用した「食事広場」にはうどんやすし、ぎょうざ、あんみつなど十軒以上のバンカが並んだ。冷風を送る扇風機が備えられていたものの、会場はすごい熱気。お腹を空かせた人々はそれに負けじと行列を作り、焼きそばをほお張っていた。
 夕方四時過ぎに会場に現れた四十代の男性は、「今までとは違い、人が多いのでびっくり。たこ焼きももう少しで買えないところだった」と、最後だったという包みを大事そうに抱えながら、汗をふいていた。
 秀島委員長は、「食べ物や飲み物は完売。一万枚用意したパンフレットもなくなりました」と笑顔でイベントの成功を喜んでいた。

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