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ひとマチ=学生時代思い出して

3月23日(水)

 「袴40枚分くらいは縫ったわよ」
 広島県人会婦人部はこの1カ月、ブラジル広島神楽保存会で使用する袴と白衣作りに取り組んだ。母県からの指導員来伯までにと、多い時には8人、常時4人が朝から晩まで同センターに弁当持参で缶詰状態。
 でも、完成したのは袴と白衣が15枚ずつ。聞くと、誰も袴の作り方を知らなかったそう。縫ってはほどき、何回もやり直した。
 記憶だけで作った袴は、若い団員に「こんなスカートみたいなの履けない」と言われ、糸を解いた。剣道の袴を取り寄せ、ひだの付け方を研究した。
 「昔、家庭科の授業で浴衣を縫ったくらいだもんね」と中森芙美子さん。笑いながらも仮縫いする手は休めない。学生時代をみんなで思い出しながらの作業が続いた。
 15日、指導員二人が到着、歓迎会の前にはすべてを縫い上げた。伊達すみえ事務局長によると、婦人会員同士が長い期間作業したのは、今回初めてという。「ずっと一緒にいるから、みんな仲良くなっちゃってね」。笑いがこぼれた。          (剛)

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