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マニフェストと質疑応答②=下本八郎氏

4月13日(水)

 「文協を思い愛している皆さま」と会場へ語りかけ、日本語学校連合会や日本人会など様々な日系団体の代表を務め、各国の日系コロニア訪問してきたことを強調した。
 ヴィラ・レオポルジーナ問題に関して、「大きなお金が必要なプロジェクトを提案しても、文協にはお金がないし、日本からも出せないと言われる。会員から一万レアルずつ集めたらいいということも始めたがすぐにダメになり、新聞にバンバン叩かれるようになった」経緯を厳しく批判し、同案は「キャンセルする」と公約した。
 具体的には、「ヴィラ・レオポルジーナはやらない」とする提案を百周年祭典協会総会に出すという。
 百周年には記念誌発行を提案した。INSS問題など文協が抱える経済問題も「政治的に解決すべき」と政界での影響力の強さを匂わせた。
 日本語学習の重要性に関して、「日本語を勉強しなくてもいいという人もいるが、日本がある間は日本語を教えるべきだと思う。日本人の顔に誇りを持ってもらうには、日本語を教えるしかない」と熱く語り、会場の拍手を誘った。
■文協について■
◎「現在、文協が進めている創立五十周年事業を継続して行うのか」
 「自分は監査役をしているが、(五十周年事業は)今日知った」と話しながらも、「五十年というのは大事な年。歌やショーなどを行い、日伯の歌手などを招待しては」とアイデアを披露。多くの新規会員を獲得した谷氏を見やりながら、「収入もあったことだから何かできるでしょう」と会場の笑いを誘った。
◎「〃双子の赤字〃と言われる国士舘スポーツセンター、移民史料館の運営、取り扱いをどのように考えるか」
 「センターは自分にとっても思い出深い場所」と、自身が州政府と国士舘大学との橋渡しをした経緯を振り返ったところで持ち時間切れ。おどけたポーズに会場からは笑いがこぼれた。
◎「文協を通じたコロニアの活性化と次世代の若者をどのように取りこんでいくか」
 「二世も七、八〇代になってきた。でも、まだまだ元気でしょ」と、隣に座る上原候補に笑いかけた。これからは三世の時代、自分のシャッパにも若い世代がいることを強調しつつ、「誰かそういう人がいれば、人は入ってくる」と話し、「イベントをもっと開催する必要もある」と語った。
 先ほど触れなかった移民史料館問題ついて、「移転も視野に入れ、一般の人が訪れやすい環境にすることで、多くの人を呼ぶことができる」と、移転の考えをほのめかし、集客力強化の必要性を述べた。
■移民百周年について■
◎「日伯総合センターの建設問題」
 「私個人としては理事長を始め、幹部に対して何の感情もないが、少ない人員でプロジェクトを決めてきたのは事実」と明言。加えて、「一万レアルを一人ずつなどは無理」と断定、「根回しなしの臨時総会などもあり得ない。私ならしっかり根回しする」との意気込みを語ったところで、残念ながら時間切れとなった。
◎「箱物以外の百周年事業をどう推進するのか」
 私たち日系人は百周年に誇りをもっており、ブラジル社会では、一番信頼されている民族でもある。「百周年には、ブラジル全体で喜べるものが必要だ。今は若い人を中心にアニェンビーでの催しを考えている」と語った。
 「忘れてはいけないのがデカセギの問題で、三十万人の兄弟たちは、日本でイベントをやりたいと言っている」と強調し、デカセギ帰国後の環境整備も必要だとの意見を述べた。
◎「文協と移民百周年祭典協会の関係をどう考えるか」
 同協会は全伯組織になっておらず、実質小人数で運営していることを再指摘。「全体の催しにするためには、文協が中心になり特別な委員会を作り、会計を別にすることもできる」などの考えを明らかにした。

■マニフェストと質疑応答①=谷広海氏

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