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マニフェストと質疑応答③=上原幸啓氏

4月14日(木)

 現職の上原幸啓候補は最初の自己紹介で、「僕は日本で生まれ、ブラジルの田舎で育った水のみ百姓。エンシャーダをひいた経験もあります」と学者イメージを払拭しつつ、「文協は若い人たちを大事にしたい」と、文協祭りの成功に世代を越えた協力があったことを強調した。
 九歳で親に連れられて渡伯。聖州オリンピア市の非日系寄宿学校に通った。一九四六年に出聖し五三年にUSPを卒業。以来、同校教職一筋に過ごしてきた人生も振り返った。
 その中で、「日本は戦争に負けたが、自分は日本人として負けないと奮い立った人間です」と普段の温和さとは、違った力強さを言葉ににじませた。
 文協会長に就任した二年前は十万レアルの赤字だったが、昨年は二十万の黒字に転換させたことや、理事たちが休暇なしで職務を全うしてきたことを強調。「コロニアだけでなく、ブラジル社会に向けて活動を続け、若者たちをさらに呼びこんでいきたい」。
 三候補に分かれたことは残念だが、三人とも思いは一つだ、と協調の姿勢を示した。
■文協について■
◎「現在、文協が進めている創立五十周年事業を継続して行うのか」
 半世紀前、バラバラになっていた日系社会をまとめる役割を担った文協創立の経緯を振り返りつつ、第一の目的は「夢を持った創立者たちに恩を返すこと」と五十周年の意義を確認。両候補者からの意見もこれから「考慮に入れて検討したい」とした。
◎「国士舘スポーツセンター、移民史料館の運営、取り扱いをどのように考えるか」
 国士舘について、「本当に難しい問題」とし、「センターの近くの人々に利用してもらいたい」と述べるに留まった。
 史料館に関しては、「世界中を見ても、黒字の資料館や博物館は少ない」と話し、「文協はチームワークでやっている。チームを信じて、一日も早く解決したい。皆さんの知恵をお借りしたい」と呼びかけた。
◎「文協を通じたコロニアの活性化と次世代の若者をどのように取りこんでいくか」
 「第一にこの文協を新しくする必要」を挙げ、人が集まる場所の必要性をこの二年間でつくづく感じたと話した。地方文協とのつながりも経済的な理由から、十分できなかったことを釈明しつつ、「パワーもカベッサもある若い理事たち」に期待をかけた。
■移民百周年について■
◎「日伯総合センターの建設問題」
 「あくまでも百周年行事のひとつで、センター案だけではない」ことを強調しつつ、最近反対の声や電話があると吐露。同案に関する交渉は凍結したが、今月三十日に開かれる百周年祭典協会の総会で、世論調査を提案する考えを述べ、「総会で反対決議がされれば、それで終わりの話」と説明した。「ただ、色んな土地を調べたうえで、レオポルジーナに行き着いた」とあくまでも同案を推す立場を貫いた。
◎「箱物以外の百周年事業をどう推進するのか」
 (移民の日の)六月十八日には、ブラジリアで日伯間政府の催しを考えており、時期的に公文書で要請を提出したい。皇族も招待する考えだ。六月二十一日は聖市のモルンビー競技場でエスコーラ・デ・サンバなどを呼び、大きなイベント、二十二日にはパラナやミナスなど他州と共同で何かをやりたい。
◎「文協と移民百周年祭典協会の関係をどう考えるか」
 「文協がダメだと百周年もダメになる」との考えから、文協の強化が肝要だと強調。「色んな問題を抱えているが、皆の意見を聞いて考えていくべき。間違いは直していきたい。一人一人の考えがあるが、仲良く話して譲り合っていけば、立派な式典ができると思う」と締めくくった。

■マニフェストと質疑応答①=谷広海氏

■マニフェストと質疑応答②=下本八郎氏

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