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30日決戦投票へ=谷、上原両候補の一騎打ち=文協会長選挙=谷804、上原733、下本244

4月19日(火)

 今月三十日午後二時から、決選投票へ――。三年後に百周年を控え、〃全伯日系社会の代表〃を争う文協会長選挙が、十六日午後行なわれ、一千七百八十四票(白票三)の有効票があり、谷候補が八〇四票(四五%)でトップの得票率。しかし、三候補とも八百九十三票の過半数に達せず、谷、上原両候補が再び、文協会長の座を争うこととなった。文協初の投票制選挙ということもあり、受付や投票所での不手際も目立った。
 「委任状の整理券は無くさないでください。三十日午後二時から、決選投票を行います」。開票終了後、選挙管理委員会の原田清委員長は宣言した。
 文協五十年の歴史始まって以来の会員直接投票による会長選挙。三年後の百周年にも関わってくるだけに、多くの会員が午前九時過ぎから文協を訪れた。
 受付会場となった体育館では、会員証明や会費の支払い確認のため、十台のコンピューターを設置。四十人体制で初の選挙に備えた。
 「投票まで二時間半待たされましたよ」「高齢者も列に並ばされていた」「一つの投票箱からゴッソリ固まって、ある候補の票が出てきたのはおかしい」などといった不満や疑問の声が会場のあちこちで聞かれた。
 委任状依頼者をアルファベット別に受付したため、持参した人が何度も並ぶこととなった。簡素化したつもりが、逆に煩雑になってしまったのは、選管の不手際だろう。
 また、ある有権者は二枚の整理券を貰っている。名前のアルファベット順に並んで一枚貰った後、違う受付に行くよう促され、そこでもう一枚。
 「自分のしか投票せんかったけどね、まあおかしいわな」と手に残った一枚をひらひらさせ、笑った。
 「一体、どうなってるんだ!」。緊迫した空気に投票所が包まれたときも。十の委任状を持った有権者が「すでに全ての委任状が投票済み」として、投票できないというハプニングが起こった。
 本来事務局が預かるべき委任状を当初は有権者の手に戻していたその間に不正が行われた可能性も無視できない。過半数を取るかどうかで勝敗が決まる今回のような選挙で、十票の価値は大きい。 
 投票は予定終了時間より一時間延長、開票は午後五時を過ぎて開始された。会場となった大講堂では、百人以上が結果を見守った。
 一千七百八十四票(白票三)の有効票があり、谷候補が八〇四票(四五%)、上原候補は七百三十三(四一%)、下本候補二百四十四票(一三%)の得票となった。
 一方の監査役選挙は一千七百七十九が有効票(白票五)となり、谷候補は七百九十六票(四十四%)、上原候補七百三十五票(四十一%)、下本候補二百四十八(十三%)となり、これも三十日の決選投票へ持ちこまれることとなった。
 三十日の決選投票までの二週間。さらなる委任状の獲得、既会員の掘り起こし、下本氏との連立合意などが上原、谷両候補に残された課題となる。

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