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日伯農協婦人ら初交流=日本から親善交流団20人迎えて=長さ20メートルの巻き寿司つくる=両者「心のつながり」確信

6月17日(木)

 十四日、サンパウロ市郊外のイタペセリカ・ダ・セーラ文化体育協会会館で、ブラジル農協婦人部連合会(ADESC)主催の第十一回農協婦人部親睦会が行われ、ブラジルと日本の農協婦人たちが交流を行った。親睦を深めるための、交流会がブラジルで行われるのは初めてだ。この親睦会に合わせて、日本からJA全国女性組織協議会の交流団二十人が来訪した。
 ADESC会員の他にパラナ州インテグラーダ農協婦人部の二十人、バイア州のエウナポリスから二人など、二百五十人が参加する熱気あふれる交流会となった。
 上芝原初美ADESC会長(鹿児島県出身)の歓迎の言葉を受けて、JA全国女性組織協議会の峰島歌子会長(千葉県)が「私たちの協議会は、日本全国に百五万人の会員がいて農業を守るために頑張っております。今回は茨城、埼玉、千葉、新潟、神奈川、三重、山口、熊本の八県から二十人で訪問させていただきました。同胞の皆さまが日本人の誇りを持ち、この広大な国で日本を守るために頑張っておられる姿を拝見して感謝の気持ちでいっぱいです。自立の素晴らしさにも感動しました。今回の訪問で『心のつながり』を確信することができました。できれば、ブラジルを再度訪問したい、という気持ちになっています」と挨拶した。
 これに続いて八県の代表が一人ずつ、それぞれの県における農協婦人部の活動を紹介し、日本各地で地域に密着した活発な活動が行われている姿がブラジル側参加者の興味をそそった。
 『心のつながり』は会場のベランダで参加者全員が長さ二十メートルの巻き寿司を作ったことで頂点に達した。使われた海苔は二百五十枚。この巻き寿司を含めてADESC会員が精魂込めて作った多種多様な料理を食べながら交流が続いた。
 食欲を満たした後はフェイラだ。ADESC各支部の会員たちが作った手芸品や手づくりの加工食品が参加者の購買欲を充足させた。日本やパラナ州からの参加者たちは普段は購入することができない、一つひとつがオリジナル製品を両手いっぱいにして「最高のお土産よ」と大喜びだった。
 コチア産業組合の全盛期には七十五支部、約二千五百人の部員を擁した農協婦人部が、一九九五年九月十三日に農協婦人部連合会(ADESC)として再生して九年、悲願だった日伯農協婦人同士のブラジルでの交流が実現し、持続への明るい可能性を残した。
 神奈川県の青木充子さんは「米国との青年交流を二十六年続けてきました。初めてブラジルに来て、(心の)近さを感じました。(日本は)移住された皆さまの上にあぐらをかいてきたようで申し訳ない、と心底痛感しました。これを戒めとして子供たちに伝えていきたい」、埼玉県の松本重子さんは「日本伝来の英知の大きさを感じました。それが、想像していたよりはるかに大きく、素晴らしいものだ、ということをブラジルに来て分かりました。移住された皆さまはすごい!」と、それぞれグアルリョス空港で印象を述べていた。
 今回の交流会は、地球の南北で農業に携わる日本人女性たちの熟年パワーを全開させたようだ。
 

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