ホーム | コラム | 樹海 | コラム 樹海

コラム 樹海

 先の26日、小泉政権が5年目に入った。来年の9月まで継続すれば佐藤栄作、吉田茂両政権に次ぐ長期政権になる。先輩になる森喜朗前首相からは「ひょっとすると、もう1年のボーナスがあるかも」と語っているけれども、それほどに政界も甘くはあるまい。福岡と宮城の衆院補選では盟友の山崎拓氏が返り咲いたし、宮城も新人の秋葉賢也氏が民主党の候補を破ったのも心強い▼首相はこれまでの4年で不良債権と道路公団や国と地方財政の三位一体改革などで一定の成果をあげてきた。ところが、道路公団の民営化では、採算がとれない道路は建設しないの原則が崩されたりして族議員と官僚の力の強さを見せたれた。地方分権を目指した三位一体改革も肝心な問題は先送りされるなどで不満が多いのもマイナス要因になっている▼今は首相が若い頃から取り組んでいる郵政改革がある。郵便局はどんなに小さな村にもあるし、村人には大変便利なものであるのは誰しもが認める。だが、あの郵便局が窓口になって集める「郵便貯金」と「簡易保険」は今や350兆円にもなっており、この資金が特殊法人などに流れ非効率的な事業を支えてきた。これらの資金を民間に循環させ経済の活性化に繋ぐのが民営化なのだが、これには自民党などにも反対派が多い▼もしこの難題を乗り切れないと、解散もありうるし政局は一挙に動き出す可能性もある。中国と韓国や北朝鮮との外交も難しくなっているし、小泉政権を取り囲む永田町は決して楽観を許さない状況が続いている。 (遯)

 05/4/30

image_print