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「総理の涙、納得」=来伯中の衆議2氏=移民史料館を見学

5月5日(木)

 松岡利勝(来伯三回目)、松下忠洋(来伯二回目)両衆議院議員(自民)は四日午前十一時半、移民史料館を視察。ブラジルを知る会の清水裕美代表の案内で約三十分間、日本移民の歴史に思いをはせた。
 笠戸丸の写真を見て松岡議員は「ロシアで撃沈されたんだよね」。移住の歴史に造詣が深いところを見せ、日本移民がブラジル農業の発展に尽力した説明を受けると、「農業で成功したことは、日本でいつも言っています」と語った。
 入植当時を再現した家や入植者を悩ませたオンサの剥製を目にし、「こういうのを見て小泉総理が泣いたのも分かるな」とうなずいた。
 両議員は二日、ロドリゲス農務大臣と会談。時事通信社によると、同大臣は、燃料エタノール輸入の具体的計画を示すよう希望したのに対し、両議員は「日本としては、(エタノール燃料導入を)推進していく方向だ」と応じたという。
 ブラジルは、ガソリンに三%までのエタノール添加を認めている日本に対し、輸出を強く希望しており、二十六日からのルーラ初訪日でも交渉が行われると見られる。
 これについて、松岡議員は「輸入実現には色々課題がある」としながらも、「両国合意で実現できる問題」と話した。
 松下議員は「難しい問題とは思っていない。徐々にやっていきたい」と、エタノール輸入実現の可能性を示唆した。
 両議員は「首相も大変興味を持っており、帰国後、首相への報告会を予定している」とも明かした。
 WTO農業交渉に関しては、「世界最大規模の輸入国である日本と輸出大国であるブラジルでは戦略が違う」(松下議員)としながら、伯政府関係者から、日本側の協力を希望する発言があったと明かした。
 米国、EU、オーストラリアなどの先進輸出国は、輸出補助金などにより世界貿易上、有利となっているのが現状。松岡議員は「日本とブラジルは親戚の国」と親近感を強調したうえで、「ブラジルに必要なのは、輸出国同士でいい条件を勝ち取ることではないでしょうか」と述べた。
 両議員は四日午後アルゼンチンへ向かった。

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