ホーム | 日系社会ニュース | 「劇団ザ・スーパー・カンパニー、来伯公演したい」=来し方行く末盛り込む芝居=コロニアも題材になる  俳優・隈本吉成さん、奔走交渉

「劇団ザ・スーパー・カンパニー、来伯公演したい」=来し方行く末盛り込む芝居=コロニアも題材になる  俳優・隈本吉成さん、奔走交渉

5月19日(木)

 大統領訪日時に東京で上映会が開かれる映画『ガイジン2』や、昨年はレコルジ局の連続ドラマ『メタモルフォーゼス』にも出演するなど、ブラジルでも活躍する日本の俳優、隈本吉成さん(49)が十日から十五日まで滞聖し、自身が所属する劇団ザ・スーパー・カンパニーの来伯公演を実現させるために奔走した。
 「平均年齢五十歳以上のオジサンの劇団ですが、見事な舞台中毒ぞろいです。根っからの舞台役者の集団で、不思議なパワーが溢れた劇です」と隈本さん。約三十年前から毎年少しずつ変えながら上演する「White Revue(ホワイト・レビュー)」の来伯公演を来年実現させるべく企画を進めている。
 一貫したストーリーはなく、歌や踊り、コント、ギャグ、短編的物語を短いシーンで組み合わせ、全体としてみると強い印象を残すという。「基本はエンターテイメントなんですが、実は、今をテーマにしながら日本という国の来し方行く末を上手に盛り込んだ作品」と説明する。
 「長い間やっている芝居ですから、コロニア向けとかブラジル社会向けとか自由自在に内容を変えられます」。今年も東京都文京区のBXホールで七月十五~十八日まで公演する。構成・演出・振り付けは竹邑類さんだ。
 「去年、撮影の合間にサンパウロを車で走っている時、不思議な経験をしました。陽が射しているのにスコールのような猛烈な雨が降り、黒人、白人、お金持ち、貧乏人、老若男女、全人種がそこに集まっている光景に見えました。こんなところで、ホワイト・レビューをやってみたい。唐突ですが強烈にそう思いました」と振り返る。
 公演の受け入れ先団体や支援機関との交渉をし、十五日に帰国した。

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