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東西南北

5月24日(火)

 国連安保理常任理事国入りを目指す四カ国グループ(G4)の一角、ブラジルが、拒否権については十五年後の付与を目指す方針を固めた。拒否権獲得を最終目標としつつも、まずは常任理事国の座を確実にするための苦肉の策だ。日独は既に、現メンバーが渋る拒否権を放棄してでも常任理事国入りを優先する方向となっている。拒否権は乱発された冷戦時代とは違い、ここ十年で発動は十四回。大半はイスラエル非難決議に対する米国の反対で、常任理入りにより国際的発言力の強化を目指す各国は「名を捨てて実を得る」作戦に出たと言える。とはいえ、ブラジルは決してあきらめたわけではない。ルーラ大統領は十七日の会見で「われわれは劣った扱いを受けたくない」と強調。新常任理事国への拒否権付与に強いこだわりを示した。ただ、政府サイドの「国の威信を懸けた戦い」にも、貧困や治安悪化に苦しむ国民の関心は皆無に等しい。G4が枠組み決議草案を示した際も、主要紙の扱いは一様に小さく、論評記事は見当たらなかった。(時事)
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 アラゴアス州マセイオ市からマラゴジ海岸へ向かったCVC社の観光バスが二十日、マセイオから九十八キロ離れたポルト・カウボ市で崖から転落し、乗客七人が死亡、三十人が負傷した。乗客四十三人は、ほとんどがサンパウロ州在住者。運転手は逃走中。乗客の証言によれば、降雨の中スピードを出していたバスは、道路を横断した農婦を避けようとし転落したという。     ◎
 コスタ保健相は二十日、薬の原料となる二百五十三種類の化学薬品に対するPIS(社会統合基金)とCOFINS(社会保険納付金)を免税とするため、六十病種の薬剤一千種類が一一%まで安くなると述べた。その中には降圧剤やシャーガス病治療薬、アルツハイマー治療薬、エイズ抑制剤、精神分裂病治療薬などが含まれる。

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