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「山クラゲ」=日本祭りでも展示即売へ=栽培者増え今年もいい収穫=グァタパラ移住地の〃特産〃

6月23日(木)

 昨年(〇四年)初めてブラジルに登場して、聖州グァタパラ移住地の特産か、とまで言われるほどの評判を得た「山クラゲ」の収穫が今年も同移住地で始まった。山クラゲは食物繊維が豊富な上にアミノ酸、ビタミンB1・B2、カロチン、ミネラルなど十七種類の有効成分を含み、貧血や動脈硬化の予防にも効果があると言われている健康野菜(本紙・〇四年八月三日報道)の一種だ。中国では清王朝時代(一六一六~一九一二年)に皇帝に献上された記録があり、〃皇帝菜〃とも呼ばれていた。
 移住地で初めて栽培に成功した池津勝治さん(茨城県出身)は「不思議なことに、栽培中に虫も鳥も寄りつかず、うどん粉病にも羅からない。だから、農薬を一切使わない。もともと健康な野菜を体にやさしい食材として皆さまに提供できる」と説明している。
 今年は栽培農家が九軒に増え、無農薬栽培が踏襲されている。その一人の杉本行弘さん(岡山県)は「池津さんの指導で栽培しているが、思ったより大変だ。皮むきに一番神経を使う。かなり厚く皮をむかないと、食べる時の舌触りが良くない。幸いに、わが家では両親(八十九歳と八十三歳)が指を使うので健康に良い、と喜んで皮むきをしてくれるので助かっている」と初めて栽培に参加した感想を述べている。
 皮むきは一本一本の手作業なので、手間がかかるのは事実のようだ。皮をむいたものは乾燥室に入れて二十四時間乾燥させるが、時々状況を見なければならない。これも容易ではない(脇山謙介さん・佐賀県)ようだ。試行錯誤を繰り返しながらも、栽培農家は検討会を重ねながら、健康食材としての価値を保ちつつ、消費者に歓迎される特産品作りに励んでいる。
 今年は、七月十五日~十七日、サンパウロ市の聖州農務局イベント会場で開催される県連(ブラジル日本都道府県人会連合会)主催の第八回日本祭りに移住地として初参加するため、婦人会(高木みよ子会長・山形県)が中心となって、各種の山クラゲ加工食品の工夫が行われている。
 生産地である利点を活かし、乾燥モノだけにこだわらず、茎、先端、葉など生そのものの良さを生かした食品も期待できそうだ。日本祭り会場では鉢植えの山クラゲも展示する。同婦人会は、パラグァイのイグアスー移住地から導入した遺伝子非組換え大豆「オーロラ」を素材とした健康味噌も生産している。「これらの自然食品は、七月十日に行われる移住地の入植祭会場でも展示即売されるのでご期待ください」とグァタパラ農事文化体育協会の川上淳会長が入植祭への参加も呼びかけている。
 日本祭り初参加を成功させようと、婦人会は高木会長が先頭に立って笹箕(ささみ)寿司(農作業に使う『箕(み)』の形 をした寿司)や移住地産の各種野菜を素材とした味噌漬け、レンコン酢漬け、ユズ味噌、柿モチ、などの準備も進めている。
 養鶏が盛んな移住地なので、卵や鶏肉を使った料理も期待できそうだ。さらに、移住地では佐伯博幸さん(二世・父親が熊本県出身)がタタミ(畳)を作っているので、日本の伝統文化紹介のため、日本祭り会場で和風畳を敷き、来訪者に感触を味わっていただきたい、と希望を膨らませている。
 県連が作成した資料には、グァタパラ移住地コーナーは「緑の広場」に設置される、と記載されている。日本人移民発祥地の一つである同移住地の日本祭り参加は、脚光を浴びそうだ。

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