ホーム | 日系社会ニュース | 出席者10人=お粗末総会=ブラジル日系団体連合会(UNEN)=傘下130団体のはずが=「考える」会の発足決まる

出席者10人=お粗末総会=ブラジル日系団体連合会(UNEN)=傘下130団体のはずが=「考える」会の発足決まる

6月23日(木)

 ブラジル日系団体連合会(UNEN)の定期総会が二十二日午後八時から、文協ビル小講堂で開かれた。上原幸啓会長ほか十人の出席者があった。前本年度会計、事業報告、理事会、監査役選挙が約十五分で終了。解散も視野に入れた話し合いが行われたが、三十日以内に「UNENを考える会」を発足させることが決議された。次回の会合は未定となっている。書類上とはいえ、約百三十の傘下日系団体を持つブラジル最大の日系団体の総会にしては、あまりにお粗末な総会となった。
 第一次召集、午後七時。会場である小講堂には、受付の文協事務員と二、三人の出席者の姿が見られた。
 第二次召集、七時半。三々五々、出席者が参集。誰一人いない小講堂の壇上に用意されたテーブルと水が、薄暗い照明のなか浮かび上っている。
 七時五十分前。そろそろ始めますか―、と誰ともななく舞台の方へ移動。上原会長の提案で、出席者全員が登壇。テーブルを囲んで、会議が始まる。
 上原会長あいさつ。「出席者は少ないですが、議題通り始めましょう」
 議題一。前年度事業報告。「何かありますか」と司会のUNEN専任理事、岩水マリオ氏。お互いの顔を見合わせる出席者たち。吉岡黎明部文協副会長による「実際、活動は行わなかったので報告事項はないですね」の発言に従い、議題が進行された。
 議題二。岩水理事に促され、中村マサヒロ文協事務局主任が、前年度の会計報告。〇三年一月一日でのUNENの残高は三千五十一レアル。同年の支出は三千十二レアルだったため、残高三十九レアル。
 〇四年度から、文協事務局がUNENを管理するにあたり、再登記や各地方団体への郵送代などで五百六十七レアルを文協が肩替わりしているため、UNENの欠損金は現在、五百二十八レアルであることを報告。
 議題三、四。本年度の事業、予算報告。審議されず。
 議題五、六。UNEN理事、監査役の選挙。シャッパは以下の通り。
▽理事会=上原幸啓(会長)吉岡黎明(第一副)伝田英二(第二副)平山イナシオ(専任理事)瀬尾マリオ(会計理事)
▽監査役=石田俊郎、池崎博文、伊藤実(正監査)矢野敬崇、佐道善郎、垣本憲治(補欠監査)。
 専任理事が変更したのみの横滑り人事となったが、拍手で承認。
 続いて、「UNENの将来についての討論」が行われた。
 佐道補欠監査からの「サンパウロでの活動に参加することは事実上無理。金銭面でも協力していないため、自発的参加は望めない」と地方団体から見た率直な意見を受け、先月十八日の役員会でも議題にされたUNEN廃止の意見も聞かれた。
 伝田英二副会長は、「UNENの運営委員会を文協内の小委員会として立ち上げてはどうか」と提案。
 これを受け、上原会長は現在活動中の文協ネット委員会を紹介、「インターネットを通じて地方との連携が図れる」と強調した。
 佐道補欠監査の「地方文協で、インターネットを活用しているところは少ない」との指摘に、本論とははずれた内容に議論が発展、約二十分を費やした。
 司会の岩水専任理事が、「『UNENを考える委員会』を作ってはどうか」と提案。満場一致で議決され、三十日以内に新理事会が中心となってメンバーを構成することが確認された。
 休止状態が続き、その存在自体が疑問視されるUNENのあまりにお粗末な結果に終わった定期総会。考える委員会の設立で、活性化に向け立て直しを図ることができるのだろうか―。

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