ヴァ氏の銀行口座等開示請求=郵便局CPI=裏金疑惑に焦点=牧牛購入の事実関係確認へ=2年で2090万R$引出し
6月29日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十八日】郵便局汚職議会調査委員会(CPI)の上程者セラグリオ下議(ブラジル民主運動党=PMDB)は二十七日、労働者党(PT)の広報業務を委託されたヴァレーリオ氏の所有企業DNAとSMPBについて、銀行口座と資産明細、電話の通話明細書の開示を請求した。ヴァレーリオ氏は、支持票買収のため裏金の連立与党議員への配布でお膳立てした張本人だと、ジェフェルソン・ブラジル労働党(PTB)党首から告発されていた。同CPIは六月末までに、PTB党首を含め、八人の証人喚問を行う予定だ。
郵便局汚職CPIの審理は、裏金配布の核と目される広報業者のヴァレーリオ氏へ焦点が移りつつあるようだ。上程者はヴァレーリオ氏が銀行の預金口座から引き出した二〇九〇万レアルの出所と、牧牛購入に当てたとする事実確認のため、同氏所有の農場も捜査対象とした。同氏は郵便局の広報業務も請け負っていた。
上程者の意向は、郵便局汚職よりも三万レアルの金を票買収のために配布した裏金工作へ矛先を向けている印象がある。上程者は郵便局汚職CPIと裏金配布CPIを別々に設置するかどうか上下両院に図る考えでいる。特に別個設置の要求がなければ、従属審議で裏金疑惑にメスが入る。
メルカダンテ上議(PT)は、裏金疑惑は各議員の倫理観に関わるもので、郵便局汚職CPIでの審議は妥当ではないとした。
ブラジル社会民主党(PSDB)は、二〇九〇万レアルは牛購入には金額が多すぎると偽証を訴えた。同党は検察庁にヴァレーリオ氏の資産差し押さえを要請した。自由戦線党(PFL)は農務省に、ヴァレーリオ氏と妻名義の牛のワクチン証明書と牧牛の移動証明を請求した。これで、牛を購入したという同氏の供述の裏が取れる。
郵便局汚職CPIは、資金の動きに不審な点がある取引の明細を金融取引審議会(COAF)に求めた。SMPBから過去二年間、ルラル銀行ベロ支店で一六五〇万レアルが引き出された。同銀行支店のDNAの口座からは、四四〇万レアルが引き出された。これらの資金の使途は不明となっている。
同CPIはCOAFのメンバーを呼び、両社の銀行口座から引き出された十万レアル以上の預金一覧表の提示を求めた。また下院監査委員会は二十九日、ヴァレーリオ氏を召喚し、秘書の供述について説明を求めた。同監査委員会は同日、ジェノイノPT党首とレベロ政調会長も召喚した。
一方、検察庁はSMPBとDNAが二〇〇三年七月から〇五年五月までに引き出した二〇九〇万レアルの出所を捜査する。ミナス・ジェライス州検察局は、出所を州政府機関と連邦機関、公共団体の広報費としている。他にヴァレーリオ氏が関係した企業の脱税や、公文書偽造による不正資金も含まれると同州検察局はみている。
SMPBの共営者三人は、銀行融資一八〇万レアルの決済に際し詐欺行為があったと訴えられた。他にも八〇七万レアルの損害を同州会計に与えたと、ヴァレーリオ氏自身も州政府から告訴されている。SMPBは、公社COPASAから三〇〇万レアルの損害賠償請求を受けている。また同社は、数々の選挙違反訴訟の被告に連座している。