ホーム | 日系社会ニュース | パラナ名誉州民権受ける=ホーム運営に貢献=和順会の佐々木理事長

パラナ名誉州民権受ける=ホーム運営に貢献=和順会の佐々木理事長

6月30日(木)

 老人ホームの運営に貢献があったとして、佐々木陽明パラナ老人福祉和順会理事長(69、鳥取県出身)が、同州の名誉州民権(証)を受けた。贈呈式が二十六日、同ホーム創立三十周年記念式典と合わせて行われた。日系人で同州の名誉州民権を受けるのは、第一回笠戸丸移民の中川トミさんに次いで二人目。佐々木理事長は「これからも高齢者福祉の向上に努めていきたい」などと、決意を新たにした。
 名誉州民権の授与は、西森ルイス弘志州議が発案して、実現したもの。満場一致で可決された。同州議は「身寄りのない独居老人などを、無料で世話しているのは、賞賛に値すること」と賛辞を送る。
 ひな壇に、リカルド・バーロス連邦議員、シーダ・ボルゲッチ州議、シルビオ・バーロス・マリンガ市長などが並んだ。両国歌斉唱後、佐々木理事長の略歴などが紹介され、萩生田浩次クリチリーバ総領事から同理事長にディプロマ、西森アケミ州議夫人からミドリ理事長夫人に花束が贈られた。
 同理事長は五七年に、渡伯。同年、浄土宗南米開教区開教使に就任した。こどものそのの初代園長で知的障害児の支援に取り組んだほか、九二年から淑徳大学の客員教授も務めている。
 佐々木理事長は「亡き長谷川良信先生は生涯叙勲を受けず、死後に遺族が受け入れた。私も先生の態度を見習うつもりで、名誉州民権の話があった時、何度も断った。しかし、無料でお年寄りをみていることが評価されたということは、和順会自体の名誉だと思って、州民権をいただくことにした」などと喜びを語っていた。
 名誉州民権が授与されるのは、ほかに上野アントニオ元連邦議員がいる。議会での承認を得、贈呈式を待つだけになっている。

image_print