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日本語学校=デカセギ関連70%=――アサイの実学園――=生徒の要望強く=ひたむきに教える

7月6日(水)

 サンパウロ州の奥地に、デカセギ希望者や一時帰国者に〃信奉〃される日本語学校がある。アサイ(ロンドリーナから自動車で五十分)の実学園(舘脇千夜園長)。生徒数、百七人(去年)のうち七十人がデカセギ関連の学習者で、ホテルに泊り込んで授業を受けている人もいるという。学校を主に仕切っているのは、娘の未季さん(28、三世)だ。「日本で困らないように、生徒を支えたい」。そんなひたむきな姿勢に、信頼が集まっているようだ。
 デカセギ向けの教室を開けるようになったのは、二〇〇〇年ごろ。生徒からの要望が、あったからだ。
 デカセギ経験のない、舘脇さん。当初、対応に苦慮した。会話を中心にした簡単な授業からスタート。(1)上司の指示(2)病院の診察(3)市役所での手続き(4)学校からの通知──など生徒から希望が出され、内容の幅を広げていった。
 「一時帰国者は、日本語をしゃべれないといらない、と言われるので、必死に勉強しているようでした」。
 テキストは各種の日本語教科書をアレンジした上、日本の情報などを加えて独自につくったもの。三カ月程度(週に四回、各二時間)で、ゼロから始めた生徒が、日本で苦労しないぐらいの基礎的な力が、つけられるように工夫した。
 生徒が訪日した後も、メールや電話で相談を無料で受け付けるなど、アフターサービスも行っている。「自信が無かったので、宣伝はしなかった」と控え目に語る。研究熱心な姿が評価されたのか、口コミで生徒数が増加した。
 サンパウロ、ポルトベーリョからホテルや親戚宅に泊り込んで通学している人もいる。毎日、片道五時間かけてくる十代後半の兄弟も。最も多い年齢層は二十五歳~四十歳だという。
 デカセギ向けクラスは一日に午後三時~午後五時、午後五時~午後七時、午後七時~午後九時、午後九時~午後十一時の四つあり、母の千代さんらと共に授業を行っている。食事は? との質問に、「授業の合間とかに、時間を見つけてしています」とさらり。
 授業料(月謝)は週に二回が四十五レアル、四回が六十レアル。舘脇さんは、大学・大学院でコンピューターグラフィックや工業デザインを学び、その道に進めば収入は良いはずだ。「日本語教師の仕事が好き。コンピューターで日本語のゲームをつくって、子供に遊ばせているんですよ」。
 「ひたむきにがんばっている姿が、受けているのでは」。丹羽義和事務局長は、大切に育てていきたい人材だという。子供テスト(九月実施)の作成に携わっており、毎週聖市に出てきている。
 「留学や研修で日本に行ったことがあるけど、働いたことはないんです。アルバイトのようなものを利用して、デカセギの実状を肌で触れてみたい。行政手続きを始めとする各種の情報を集めて、デカセギのための資料をつくりたい」。舘脇さんは照れながら、目標を語った。〃原石〃を磨くのは、日本語教育界の使命だと言える。

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