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JICA青年ボランティア リレーエッセイ=最前線から=連載(4)=相澤紀子=ブラジル=日本語センター=語り継がれる移民史を

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2005年7月21日(木)

 ブラジル日本語センターでは月に一度、有志の移民史勉強会を開催している。毎回六、七人、小さな集まりだがわいわいとにぎやかに続いている。この会のきっかけは、センターが発行する季刊広報誌「A Cultura Japonesa」に移民史の連載を始めたこと。
 その勉強会のメンバーに教えられ、先日アルバレス・マッシャードの「招魂祭」へ行ってきた。今年で八十五回目を迎える「招魂祭」は日本でいえばお盆にあたるお祭りで、法要の後に演芸・盆踊りなどが一日続く。
 一九一八年の入植当初から、マラリヤや黒水病で医者にもかかれず多くの命が奪われ、ブラジル政府が認可した唯一の日本人墓地が植民地の中に建てられた。墓地は現在サンパウロ州政府の管理下におかれ、同じ区画にある木造の小学校も重要文化財として、許可なしでは勝手に修理をすることもできないという。
 今は隙間だらけで窓ガラスもはまっていない学校からなだらかな丘陵地帯を見渡すと、その昔、開拓が始まる前はここも原生林に覆われていたことが信じられなくなる。
 この町の出身者は、同じ苦労を体験し、助け合いながら暮らしてきたこともあり、その多くがサンパウロ市やその近郊に出てきた今でも、「招魂祭」を通じて絆を確認しあっている。
 ユニークだな、と思ったのは出身者のみなさんが下げていた名札。名前の下に年代(例:1935~1965)が書いてある。その年代はみなさんがアルバレスで過ごした時代を示しているそう。こうなると、もう生き証人のようでもある。あちこちで思い出話に花を咲かせる人たちを見て、こんな形での同窓会もあるんだなと感心した。
 ある六十代の二世の人は「あと何年(招魂祭を)続けられるか」と心配していた。彼らの孫にあたる四世が三世の親に連れられて参加している間はまだまだ大丈夫。こうして世代を超えて、これからも自分たちの歴史を語り継いでいってほしいと心から思った。
 移民史勉強会を通じて出会いの場が広がっていく。諸先輩方から教えていただくことが本当に多い。広報誌の連載を通じて、わずかながらでも「語り継ぐ」お手伝いをさせていただければと思う。センターでの仕事は広報誌発行の他、会報発行、ホームページの運用と慌ただしく過ぎていくけれど、みなさんの感想を聞けることが楽しみの一つ。青年・有志ボランティアの手を借りながら、次号「A Cultura Japonesa第3号」の発行(九月予定)をすすめます。
 最後になりましたが、飛び込みで参加した私を温かく受け入れてくださったアルバレス・マッシャードのみなさんに、この場をお借りし心から御礼申し上げます。
◇毎月第二木曜日、午後二時からブラジル日本語センターで移民史勉強会を開催しています。関心をお持ちの方は事前に相澤(ブラジル日本語センター・11・5579・6513)までご連絡の上、ぜひご参加ください。
    ◎   ◎
【職種】企画・編集・広報
【出身地】神奈川県横浜市【年齢】30歳

 ◇JICA青年ボランティア リレーエッセイ◇

JICA連載(3)=中村茂生=バストス日系文化体育協=よさこい節の聞こえる町で
JICA連載(2)=原規子=西部アマゾン日伯協会=「きっかけに出会えた」
JICA連載(1)=関根 亮=リオ州日伯文化体育連盟=「日本が失ってしまった何か」
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