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■ひとマチ点描■社会貢献こそ私の夢

2005年8月6日(土)

 「社会の役に立つことが私の夢」。先月の日本祭り(サンパウロ)の手伝いをするために、日本から帰国した2世の矢野百合江さん(42)=写真=はいう。「高齢者のための年金と法律」と題したマニュアルを企画・作成し、同祭で配布した。
 1世はブラジルの法律や日本の年金制度について知らない人が多く、ブラジル日本都道府県人会連合会に問い合わせが殺到していた事情を知り、「何か手伝うことはないか」と、中沢宏一会長に相談したことが作成のきっかけだ。
 矢野さんは大学卒業後、弁護士に。その後県費留学生として福岡県九州大学で法律を専攻。「1年だけでは足りない」と、大学院にも進学した。「朝から晩まで日本語づけ。けんしょう炎になるまで勉強した」と自身の手を押さえる。また、4年間に渡り福岡県のラジオ局でDJを努め、ブラジル音楽を紹介した。
 「大学での研究を通して社会のことは知った。でも何年住んでも日本人というものは分からなかった」。
 そこで、茶道、生け花などを始め、のめりこんだ。「足りなかったのは文化だったと気づいた」「目上の人を敬うこと学んだ。練習すればするほどいいものができて終わりがない」と気づいた。
 8月7日に再訪日。出稼ぎに関する法律の問題を扱うそう。「日本とブラジルの架け橋になりたい」。笑顔の中にも意志の強さを見せた。

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