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コラム 樹海

 「郵政解散」―いや「八つ当たり解散」と世は姦しい。首相も悩み抜いての決断だったろうし閣議で解散を決める前夜には、森喜朗前首相が事前の連絡もなく首相公邸を訪ね「解散をするな」と大議論をしてもいる。森氏が「何か飲む物ないか」というと小泉首相が台所へ行ってビールを持参し10数本飲みながら真夜中に1時間半ばかり論を闘わせる▼結局、物別れに終わったのだが、郵政民営化に掛ける首相の熱意は、これほどに強い。小泉政権は、これまでに道路公団民営化や年金改革などを実施してきたが、郵政民営化は首相の政治的な夢と云っていい。自民党内には綿貫民輔氏や亀井静香氏らの反対派がいるけれども、民営化は誰かがやらねばならない仕事である。参院での否決を最も遺憾とするのは云うまでもなく財界である▼自民の造反組は、郵便局の数が減ると国民は困ると主張する。それではと、今の7600郵便局は存続させますと政府も譲歩しそうなのだが、それでもなお不満というのは、おかしいではないか。尤も、宅急便の幹部によると、今や自動車の時代であり、国民の行動は周辺の4キロに広がっており、郵便局が少しくらい減っても何ら支障はないそうだ▼民主党は「政権交代を」と意気込むが、この解散は自民党の内部分裂であって民主党は、洞が峰を決め込んでいたにすぎない。その陣地に自民党の造反派22人がなだれ込んでの参院否決なのであり、こんな体たらくでは民主党を革新政党と呼ぶことはできない。(遯)

05/08/11

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