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手応えあり「水曜シネマ」=文協、「高齢者に好評」確信=2人の副会長、宣伝に乗り出す=将来の計画もふくらむ

2005年8月17日(水)

 ブラジル日本文化協会(上原幸啓会長)は、〃敬老〃を前面に出した企画「水曜シネマ」(毎週水曜日午後〇時半から文協講堂で上映)に少し手応えを感じているようだ。お金を払って見に来る高齢者が増えているのだ。二人の副会長がみずから、映画館のドーノのように、宣伝に乗り出している。きょう十七日は第三週「人生劇場、青春編、愛欲編、残侠編」(七二年作品、竹脇無我、森繁久弥、田宮二郎)。
 「水曜シネマ」のキャッチフレーズは、「これは見逃せない日本映画の傑作選」「映画通、布施直佐氏による解説付き、映画が三倍楽しくなります」。篤志の布施さんが、フィルムを選択、DVDにより、文協講堂でフィルムの解説をしながら上映してくれる。
 松尾治副会長、小川彰夫副会長(広報担当)によれば、初回八月三日は、停電という思わぬアクシデントに見舞われた。しかし、観客は、少しも騒がず、整然と待ってくれた。改めて日本人・日系人は、秩序を重んじる、と再認識させてくれた。第二週十日は非会員が二レアル支払って二百六十三人も鑑賞にきた。無料の入場者数(会員)のおよそ六倍。「この人たちが会員になってくれれば」とは思うが、小川さんたちは今のところ、口にしない。
 最初、セマナの午後〇時半という上映開始時間については、観客動員数の点で、自信がなかった。しかし、二回やって、悪い時間帯ではないと、思っている。
 「水曜シネマ」の売りポイントは(1)映像が大きくて鮮明。音もはっきり。(2)解説が的確でわかりやすい。(3)会場が大きく、昔の日本映画専門館を思わせる。ビデオテープによる鑑賞よりも、観たという印象が強い。
 将来の計画もふくらむ一方、続々と打ち出している。(1)アンケートをとって希望のフィルムを聞き、布施さんに入手してもらう。(2)要望があれば、地方巡回も考える。(3)日中、多忙な人、少壮会員のために夜間上映も検討する。
 松尾さんによれば、「水曜シネマ」は、文協創立五十周年記念事業の一環であり、一応、満五十周年になる来る十二月までは続けられる。以後は状況を判断してから決めるようだ。
 現在、上映決定分は八月二十四日「不知火検校」(六〇年作品、勝新太郎、中村玉緒)、八月三十一日「斬る」(六二年作品、市川雷蔵、藤村志保)、九月七日「浮草」(五九年作品、京マチ子、若尾文子)、九月十四日「丹下左膳余話、百万両の壷」(六三年作品、大河内伝次郎)、九月二十一日「くちずけ」(五七年作品、川口浩、野添ひとみ)。

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