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コラム 樹海

 ノロエステ線には「南米一」とか「ブラジル一」を自負する盆踊り大会が、いくつかある。大規模、つまり参加者が多いのである。運動会(ウンドーカイ)が横文字で表記され、すでにブラジル語化されているように「ボンオドリ」も同様である。ただ、まだ、全国(全伯)的に、ではない▼ウンドーカイは、日系人の若者の日本流出にともない、どちらかといえば、往年の開催エネルギーを失っている。ボンオドリは、参加者がウンドーカイよりも非日系人に開放されているので、日系青年の多寡に関係なく、隆盛の傾向だ▼地方の町では週末、中央公園で若い男女のそぞろ歩き(厳密には、交際相手をさがすという目的があるのだが)がよく行われていた。ブラジル人は、どちらかといえば、「夜間行動型」なので、夜に強い。夜間行われるボンオドリが、そぞろ歩きのように好まれるのはよく理解できる▼ブラジルのボンオドリは、当然のようにブラジル化される傾向にある。伴奏の唄も踊りの振りも、である。また、そうでなくては日系人を含めたブラジルに好まれない▼さきのペレイラ・バレットの「(観衆を含め)五千人の名物盆踊り」の場合、踊りの輪が五重にもなったそうだ。舗装工事を施した専門踊り場も設置されている。もちろん、市の指定?の年中行事である。力の入れ方が違うのである。娯楽、遊びがあふれているサンパウロ市のプラッサなどでは、あの独特の雰囲気があるボンオドリが、入るスキはないだろうか。(神)

05/08/19

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