2005年9月2日(金)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙一日】連邦警察は三十一日、ジェノイーノ前労働者党(PT)党首とソアレス前財務担当、広告業者のメンドンサ氏とヴァレーリオ氏を、政府支持票買収のため裏金を提供したかどで起訴すると決定した。連警の見方によれば、メンドンサ氏が海外で債権を決済したのは、金融法違反である。支払金はヴァレーリオ氏による国外不正蓄財であり、ジェノイーノ前党首は同行為を看過した共犯者だという。郵便局と裏金両CPI(議会調査委員会)は、裏金は存在し、釈明は言語道断とする最終報告の一部を一日に提出する。
郵便局と裏金両CPIによる裏金の存在確認と融資金についての釈明は論を待たぬとする最終報告に伴い、連警は関係者の起訴へ踏み切った。これまでの捜査で犯罪とみなされるのは、金融法違反と資金洗浄である。刑法によれば、十年以下の禁固と罰金が科される。
現時点までで最も懸念されるのは、メンドンサ氏が米国領内で決済した債権に対するブラジル政府への義務不履行である。決済はジェノイーノ前党首の了解とソアレス前財務担当の指示で、ヴァレーリオ氏が構築した違法ネットワークを利用したと連警はみている。
四人の起訴手続きは、CPIが調査書類を連警へ返還次第行われる。同書類には、最高裁の審理書類も含まれている。検察庁と連警が要請したメンドンサ氏と同氏が所有するドゥッセルドルフ社の米国内にある銀行口座開示は最高裁が扱っている。
金融活動管理審議会(COAF)からCPIへ提出された書類には、バハマ国の諜報機関から寄せられたメンドンサ氏と共営者ジウマール氏の金融取引に関する特別報告書が添付されている。しかし、メンドンサ氏と港湾年金基金(GEAP)の関係といった不透明な部分はまだ解明されていない。
バストス法相は、四月から始まった政局混乱が政治活動を停止させることなく山場を越えたと見解を述べた。ブラジルの政治システムが混乱を収拾し、消化できるまで成長した証拠だという。ただ成長したのは、政治システムであってブラジル人ではないとした。
政治システムとは、検察庁や連邦警察などが法治国家として超党派的役を守り、裏金システムに対処することをいう。責任者はこれから司法の審理を受け、処罰される。違法資金の扱いについては、国会も適切な判断を下すと法相が述べた。
PT倫理委員会は三十一日、ソアレス前財務担当の除名決議を党執行部へ提出した。理由は三つ。一、党紀第二百十三条により不誠実な任務執行。二、党紀と倫理に抵触。三、裏金は三者を巻き込んだ違法行為だったなど。CPIが議員権はく奪の対象とした下議の中に名を連ねたPT議員の処遇も、同委員会が検討する。
ソアレス前財務担当は自らPTの人柱になることを覚悟していたが、倫理委員会の決議となると道義的問題が生じる。前財務担当が捻出した金で飢えと乾きを凌ぎ、政権を獲得したのだ。政権獲得後は前財務担当をお払い箱に投じるのか。功労者の粛清は社会主義政権の常套手段らしいが、PTはどうなるのか。