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第46回海外日系大会式典開かれる=新時代向け連携強化確認=秋篠宮同妃殿下迎え=東京都内14カ国から参加者

2005年9月16日(金)

 【東京支社】十三日から東京都内で開催されていた第四十六回海外日系人大会は十五日、閉会した。初日の式典には秋篠宮同妃両殿下がご臨席し、海外からの一般参加者十四カ国百四十二人のほか、留学生・研修生七十一人らが列席。日本と日系社会との関係が新しい時代に入ったことや、各国日系社会の連携強化の重要性が改めて確認された。これを受け、翌日の代表者会議で「世代を超えた日系社会の形成」「国際日系ネットの構築」といった課題について九カ国の代表らが討議。最終日十五日はオフィシャルツアーとして、NHKや海外移住資料館(JICA横浜)を見学した。
 式典は憲政記念館で行なわれた。開会あいさつで、海外日系人協会の塚田千裕理事長は、「勤勉にして正直で誠実な民族として、確固たる信頼を得、現在海外日系社会は世代を超えて継承されている」と述べた上で、新しい日系社会の形成が課題になってきたと指摘。「今年の大会は新時代に挑戦する海外日系社会がテーマ。ネットワークをより強固にしていただきたい」と語った。
 秋篠宮殿下はこの大会について、海外の日系人と日本を結ぶ重要な役割を果たしてきたと高く評価。
 「これまで四回にわたってこの大会に出席し、また、ブラジルをはじめメキシコ、アルゼンチン、米国を訪問した折、日系の方々とお会いする機会を得ました」と振り返られた。
 さらに、日系人が自らの手で移住先の国々で高い評価を得ているととともに、確固たる地位を築いている事情にも触れられた。
 また、大会で日系人ネットワークの構築について討議が行われることに対し大きな期待を示された。
 一方、小泉首相からはメッセージが寄せられ、「私は昨年九月、中南米を訪問しました。日系人の方々の心温まる大歓迎を今日のことのように鮮明に憶えております。また、お会いして親しく対談致しましたブラジルのルーラ大統領が、今年の九月来日され、二国間関係や国際社会に協力といったテーマのみならず、わが国で活躍しているブラジル日系人が直面する様々な問題について率直に話し合いました」。 
 続いて、扇参議院議長が登壇し、「国際社会が直面する複雑困難な問題解決に当り、伝統的な政治家の外交に加え、様々な外交チャンネルの存在が重要になっております」とし、「皆様のいっそうのご支援、ご協力をお願いする次第です」と述べた。
 町村外務大臣は、「グローバル化と相互依存の関係が一段と進む国際社会の中にあって、日系人相互、日系人と日本人の間を結ぶネットワークを構築し、連携を強化することは極めて重要なことであると考えております」と語った。
 最後に、海外総代のサイド君子さん(米デンバー)が謝辞を述べた上で、「私はコロラド日系人会に所属しています。希望に燃えた若者たちが日本から海を渡ってコロラドに参りましたが、当初、仲裁や厚生を司る機関がなく人権擁護など必要に迫られて発足した日系人会でございます」と、日系人が歩いた厳しい道のりの一端を明かした。
 毎年恒例の各国代表によって作られた花かごが秋篠宮妃殿下に贈られ式典は閉会。秋篠宮同妃両殿下は退場される際、参加者に親しく声をかけられた。
 式典後の全体会議では第二回海外日系文芸祭と海外日系新聞放送協会賞者の発表が行われ、続いた交流会で初日の日程が終了した。

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