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08年までに修復目指す=カザロン・ド・シャー=モジ市=日系文化遺産 政府公認では唯一

2005年9月27日(火)

 モジ市コクエラ区にあるカザロン・ド・シャーの修復工事が十二日に開始、壁面や屋根部分など作業が進んでいる。修復は三期に分かれており、「完成は〇八年の百周年までに間に合わせたい」と意気込むカザロン・ド・シャー協会の中谷哲昇会長。
 総工費は七十四万五千レアル。連邦政府からの助成金、二十一万六千レアル(第一期工事分)でこのたびようやくスタートに漕ぎつけた。
 第一期工事にかかる金額は二十七万レアルで、残り二割の五万四千レアルは協会側で捻出しなければならず関係者は頭を痛めている。
 カザロン・ド・シャーは八二年に州政府、八六年には連邦政府の文化財に指定されており、市の所有。
 現在、モジ文協や農村協会、中谷氏が委員を務める市文化財保存審議会からも賛意を得、議会の協力承認も取りつけた。
 十六人の市会議員個々に説明、熱意を見せた中谷会長は「市の協力は仰げると思う」と楽観視しながらも、地元や日系社会の認識不足を指摘する点も。
 「連邦政府に認められた唯一の日系文化財。形として日本文化・精神を伝えられる重要さに気付いてほしい」と話している。
 修復完了後は、定期展覧会やカザロン・ド・シャーの説明コーナー、一部は移民資料館として活用する声もあるという。

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