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コラム 樹海

 汚職と拝金主義が横着にも我が物顔をして罷り通る。古代のギリシャにもあったし、昭電疑獄やローキードなど日本でも利益誘導型の政治が数多くの腐敗政治を引き起こした。この旧来の陋習は恐らく世界の国々に共通するし、共産党の一党支配になってさえも、官僚らの収賄や腐ったカネの動きは後を絶たない▼ブラジルの政界も、腐敗と汚穢を絵に描いたようなものだ。いや実業人も噛んでいるし、政財界と官僚もが連携しての汚職と見ていい。政界の裏面を暴露した議員は国会追放になり、前官房長官は引責退任に追い込まれる。この他にも議員追放になるのは確実とされる下院議員がいっぱいいる。この空前の大疑獄の仕掛け人が与党の労働者党(PT)であるのが、これまたなんとも不思議でならない▼革新で左翼系であり、世を直すのイメージで過激な戦いをしながらル―ラ政権を誕生させた労働者党である。本来ならば、汚職とは無縁なはずなのに何千万かのレアルが何処からともなく集まってくる。その莫大な資金は裏金に化けて他党の議員に渡る。俗には「買収」だが、これには実業人も関係するし、ドル屋も活躍と複雑怪奇なのでシロウトが簡単に理解するのは難しい▼そこへ下院議長の辞職。下院議員も辞めるそうだが、こちらは食堂から月に1万ほど取ったらしい。だが―天下の国会議長としては情けないの噂がしきり。あのマルフ元市長も逮捕。こちらは1億六千万ドルだかの海外送金だから話は大きい。が、この政界疑獄の闇の向こうにはまだ闇があり広がるのは確実である。 (遯)

 05/09/27

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