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希望の家=おかげさまで35周年=創立者の伝記出版会も兼ね記念式典を開催へ

2005年10月1日(土)

 重度身体障害者の入所施設、希望の家福祉協会(木多喜八郎理事長)は十月七日午後六時半から、文協大講堂で三十五周年記念式典を開催する。
 あわせて、創立者である市川幸子さん(一九二七―二〇〇一)の生涯を綴ったポ語の本『希望の道』の出版祝賀会も行われる。
 当日は提携関係にある静岡県浜松市の聖隷学園、長谷川了理事長ら三人の日本からの来賓を迎え、五百人の来場者を見込んでいる。
 五千部制作した三十五周年記念誌を無料配布するほか、記念出版『希望の道』(二百八頁、十レアル)も販売する予定。同書は林田イサオさん(二世)が、埼玉県の市川さんの実家やゆかりの福祉施設まで取材し、福祉に捧げたその生涯を克明に描いたもの。
 来社した大野孔三会計理事は、「今まで協力してきてもらっている皆さんに感謝するのが、式典の目的です。ようやく三十五周年を迎えられたと、皆さんに報告したい」との気持ちを述べた。
 現在の施設がイタクケセセツーバに完成する以前、約三十年前から協力してきた松本昭三理事は「昔に比べると本当に立派な施設になりました。みなさんのおかげです」と述懐した。
 十一年間理事長職を続けてきた木多さんは、「先日の緑の祭典でも約千人の若者が手伝いにきてくれました。こんなに青年のボランティアがあつまる福祉団体は珍しいとよくいわれます。三十五周年を迎え、さらに若者に集まってもらうのが今後の課題です」と抱負を語った。
 同施設には現在、二十四歳から六十九歳までの九十三人が入っており、職員六十人により二十四時間体制で看護されている。当初の入所者は全員日系人だったが、現在では韓国、中国人もおり約二割が非日系。

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