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「ハルとナツ」に盗作疑惑=「自作作品と酷似」=サンパウロ市在の映像作家=NHKに質問状

2005年10月4日(火)

 現在放送中のNHKドラマ「ハルとナツ~届かなかった手紙~」がコロニアでも話題となっているが、一部から「盗作では」の声が上がっている。三日付けの読売新聞サイトが「自作作品と酷似と質問状」の見出しで取り上げており、日本側でも波紋を呼びそうだ。
 二十七日にNHKの橋本元一会長に対し、質問状を送ったのは、ブラジル在住の映像作家、岡村淳さん(46)。
 「姉妹がブラジル移住をめぐって離ればなれになる」「その後、通信の混乱から音信が途絶える」「数十年後、ブラジルに移住した姉妹が日本に残った姉妹を訪ねる」などの点が、岡村さんが制作し、九六年に東京MXテレビで放送された「六十年目の東京物語 ブラジル移民女性の里帰り」の根幹部分と酷似している、と指摘。
 その裏づけとして「ドラマ立上げの段階でブラジル通の御社職員が、『六十年目の―』の試写を薦めている」「御社関連会社がMXテレビから上記作品の試写用テープを入手している」の二点を挙げ、回答を求めた。
 これに対し、NHK側は「家族が離ればなれになる話は珍しくない」と説明、「ドラマは〇〇年から構想を練り、〇二年に企画が提案されている。岡村さんの作品は〇三年二月にネット検索で知り、制作スタッフが試写したが、重なる部分はないと判断した。脚本を書いた橋田寿賀子さんにも(岡村作品を)渡しておらず、盗作にはあたらない」と真っ向から反論している。
 岡村氏は「NHKの判断が受信料を払っている一般の人やマスコミの感覚にかなうものなのか」とし、「認めるのであれば、誠意ある対応を求めたい」と話している。

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