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越中魂で辛苦乗り越え=富山県人会=3つの節目祝う=県から46人が親善来伯

2005年10月26日(水)

 ブラジル富山県人会創立四十五周年記念式典が二十三日、サンパウロ市の北海道交流センターで開かれた。第三アリアンサなど州内を中心に三百人以上が出席、節目の年を祝った。県人移住九十五周年にあたる今年、母県からは平村国光・富山県南米協会理事長(元議長)を団長とする四十六人の南米親善訪問団が来伯。この日は県とサンパウロ州の姉妹提携二十周年式典もあわせて実施され、州知事代理としてブラジリア・デ・アルーダ・ボテーリョ州儀典局長が会場を訪れた。
 このたび来伯した母県の訪問団は、平村団長のほか、石井隆一知事の代理として塚原鐵二出納長、森雅志富山市長、山本修県議会副議長はじめ県議、北日本新聞社の梅沢直正社長、北陸書道院の青柳志郎理事長など四十六人。
 西林万寿夫在聖総領事、石橋隆介JICA聖支所次長など日本側関係者のほか、ブラジル側からは上原幸啓文協会長など日系団体代表者、野村アウレリオサンパウロ市議(市長代理)、ウィリアム・ウー市議など各界から来賓が出席した。
 午前十時からの式典は、根塚弘副会長のあいさつで開会。先没者への黙祷、日伯両国歌斉唱の後、市川良一会長があいさつ。
 「県人会の長年にわたる進歩と発展は、母県の援助と会員の協力のおかげ」と述べるとともに、二百十人に上る研修留学生を受け入れてきた関係者へ謝意を表わした。
 また「富山県を経験した人たちは両国友好親善の懸け橋」と語り、「これからも交流事業が続くよう願います」と述べた。
 訪問団からは、平村団長、塚原出納長の祝辞。出納長は「県人の皆さんは持ち前の越中魂で艱難辛苦に耐えて多くの分野で成果を挙げ、子弟は県人の美徳をもって多方面で活躍しています」とその功績を称え「これからも共に手を携え、両国友好の歴史を築くための懸け橋として尽力をお願いしたい」と述べた。
 ボテーリョ儀典局長は、九五年の姉妹提携十周年の際に当時副知事だったアルキミン知事と富山県を訪問した思い出を披露。
 「今日の式典が互いの関係の新たな記念碑になることを希望します」と祝賀の言葉を贈った。
 来賓あいさつに続き、立山フレンド会(留学研修生OB会)代表の松本忍さん(八一年留学)があいさつ。OBたちが「母県で貴重な体験を得て、ブラジル社会に役立っています」と謝意を表わし、「百周年に向け、日伯、富山県とサンパウロ州が友好の絆を益々深めてほしい」と語った。
 祝電披露の後、塚原出納長から功労者十五人と、七五歳から七十九歳の高齢者五十人に表彰状と記念品を贈呈。功労者を代表して第三アリアンサ在住の西田正義さんが謝辞を述べた。
 また、富山県と北日本新聞社から県人会に、県人会から県にそれぞれ記念品が贈られた。
 会場では、富山県紹介の映像が流された後、祝賀昼食会。梅沢社長のあいさつに続き、森市長の発声で乾杯した。
 功労者表彰を受けた西田さんは現在八十六歳。県から表彰を受けるのは中田幸吉知事、中沖豊知事時代とあわせ三回目だという。
 西田さんは三三年に第三アリアンサに入植。「第三の小使いでしたよ」と笑うが、支部の代表として県人会館建設の際は建設委員を務めた。今回の表彰を「県人会とアリアンサ、家族のおかげですよ」と語る。
 記念の演芸会では、訪問団の北日本民謡舞踊連合会の一行により、母県や日本各地の民謡が披露された。越中八尾(八尾市)伝統の盆踊りである「おわら風の盆」が始まると、目深の編笠をかぶった踊り子に出席者がまざり、長い踊りの輪が会場を巡った。
 訪問団は二十四日に州知事公邸で開かれる姉妹州県二十周年式典に出席、その後第三アリアンサなどを訪れ、帰国する。

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