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楽しかった日本語祭り=盛況の新機軸=マンガアニメ大会=スピコン優勝は岩倉さん=家族連れ300人でにぎわう

2005年11月2日(水)

 ブラジル日本語センター(谷広海理事長)は三十日午前九時から午後五時まで、「第三回日本語祭り」を同センター会館で開催した。第二十六回サンパウロ日本語スピーチコンテストも兼ねて行われ、日系人に限らず非日系人の発表者も多く見られた。書道などの作品展示会、古本市に合わせて、生け花、すみ絵、折り紙などの体験教室も行われ、会場は多くの家族連れなど約三百人で賑わった。
 午後から行われたスピーチコンテストでは十五人が発表。日本語の音声、内容、表現力が審査基準となる。見事、総合優勝に輝いた岩倉エルトン直樹さん(17)は「為せば成る」という題でスピーチをした。「為せば成る、為さねば成らぬ、何事も、という言葉を聞いてからこの言葉に勇気づけられ、好きになった。遊びたい時もあるけど、それに負けずに勉強したいと思う」と熱い想いを語った。
 その他、入賞こそ果たせなかったが、「ブラジル人の父に日本語は大切だと言われて好きになった」という母が日本人のレチシア・サユリ・バチスタさん(15)は「もっともっと日本語で話したい」、レシーフェで生まれ育ったオリベイラ・ジェラウドさん(16)は「さんごの海」について流暢に話した。
 志村マルガレッチ審査委員長(同センター理事)は「最後まで皆さんがんばって発表しました。母国語ではない言葉でのスピーチは勇気がいる」と話し、「皆さん若いのでもっとユーモアのある内容でも良かった。少し堅い気がします。でも非日系人が増えてきたので嬉しいことです」と感想を述べた。
 会場には、五、六月にかけて行われた「第十六回全伯日本語学校生徒作品コンクール」の硬筆、作文、絵画、書道作品が多数飾られた。午前中には同コンクール入賞者授与式が行われ、表彰状が渡された。この日のためにマット・グロッソ・ド・スル州など遠方から訪れた生徒らにも参加賞があり、家族で記念写真を撮る姿が多く見られた。
 また、同センター創立二十周年を記念して実施された「第一回日本マンガアニメ大会」で四十三の日本語学校生徒から集まった四コママンガ作品、約二百三十点も展示された。
 竹下佳代子理事は「マンガアニメは初めてでどれだけ集まるか心配だったけど、みんな楽しんでマンガを描いてくれたので目的は達成できた。また、特にマンガの影響で十二、三歳くらいの日本語学習者が増えている」と話す。
 谷理事長は「日本では表彰状というのがあるけどブラジルは少ない。子どもの頃にこれを貰うと一生の思い出になるからいい。現在は日本語能力試験受験者も作文コンクール応募者も増えてきている」と話し、「こういうイベントをすると、一人で勉強してるんじゃないんだということがわかるから続けていきたい」と期待を示した。

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