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歯科技工士を派日=APDESP=研修・交流がねらい

2005年11月2日(水)

 サンパウロ歯科技工士協会(APDESP=喜屋武ロベルト会長)は、今年九月から日本への研修員派遣事業を始めた。国際医療技術交流団と日本歯科技工士会が受け入れ、約二ヵ月の研修をする。これは両団体が毎年、海外の歯科技工士育成、国際交流を目的に行っている制度。今までは中国、韓国の研修生を受け入れてきたがブラジルは今回が初めて。それに伴い、歯科技工士の玉城由美子さん(54、APDESP日伯交流役員)は、研修希望者向け日本語教室開設の準備も始めた。
 日本とはブラジルに日系人が多いことで以前から専門家の来伯など、盛んに交流が行われてきた。さらに交流が深くなったのは、九七年の寺川国秀新宿アルプス歯科医師の来伯がきっかけ。「もっとブラジルと交流したい。ブラジルからも研修生を受け入れるべきだ」と、その後も二度ブラジルで行われた学術会議に参加、喜屋武シロ元ADESP会長も訪日するなど交流を重ね、今回の研修生派遣事業実現の運びとなった。
 研修生は歯科技工士であることが条件。研修では専門用語など難解な言葉が飛び交うことを前提として、日本語教室を開設することになった。それを発案した玉城さんは「もう今年九月に日本に行った研修生は準備する間もなかったから、ある程度日本語がわかる人を派遣した。でもこれからは日本語に困らないようにって教室をしようと思った。日本側も負担が減るでしょ」と話す。
 玉城さんは沖縄県の出身。十二歳まで住んだが、祖母が移民としてブラジルに住んでいたため家族と一緒に渡伯した。「私は日本語もポルトガル語も中途半端。だから日本語のわかる先生を探しています」。
 授業では専門用語だけではなく、日常会話も教える。また、来年七月には研修希望者を対象に日本語の筆記試験、面接も行っていく考えだ。「少しでも日本語がわかって、両国の技術向上に貢献してくれる人材になってくれたら、私の夢が叶うという感じ」と希望を語った。
 APDESPの会員数は現在、約千五百人。そのうち日系人の割合は約二〇パーセントを占める。社団法人として一九七六年にサンパウロ州に登録されてから、三年に一度南米最大の総会および学術大会などを開催してきた。「レベルの高い先生を招待して世界中一緒に技術を高めよう」と、アメリカをはじめイタリア、ドイツやアルゼンチン、チリなどの南米諸国、アジアとも交流をしている。
 今後は、会員を中心に受講希望者を募っていく。授業はADESP事務所(AV.brigadeiro luis antonio2050,13andar)、玉城さんの事務所(Rua visconde de peraja503)で行う予定だ。授業料、時間など詳細は未定。
 問い合わせ電話は11・5062・9567(玉城さん)まで。

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