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本物かな?親鸞の書=サンパウロ市の二世男性、公開迷う

2006年2月4日(土)

 親鸞直筆の書が、コロニアに存在?
 サンパウロ市内に住む二世の男性が、浄土真宗の開祖親鸞聖人が書いたとされる、「阿弥陀仏」を所持しているという。日本の専門家による〃お墨付き〃もあり、古美術収集家の垂涎の的になっているそうだ。
 この男性によれば、滋賀県出身の父親が戦後、日本から移住する時に持参した。「明治時代に、名家から嫁いできた人が、〃嫁入り〃の際に持ってきたそうです。山水画と鏡も家宝として、代代伝わっていました」。
 山水画はコロニアで開かれた、展覧会に出品したことがある。書はこれまで、口外してこなかった。
 寛保年代の鑑定書が付いていることから、数年前に訪日。親戚の政治家などを通じて、大谷大学の教授などを紹介してもらった。その結果、鑑定書の信頼性が確認されため、親鸞の作品ではないかという信頼性が高まったという。
 その後、寺院からの寄贈依頼や、売買の話が入ってきた。また、マスコミが取材を申し込んでくるなど反響を呼んだ。
 この男性は、家宝の扱い方について意思が固まっていなかったので、交渉には乗らず、ブラジルに帰国してきた。「とても、貴重なもの。先祖の方も大切にしてきたと思うんです」と語る。一般公開もまだ、迷っているそうだ。

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