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待望の新会館落成へ=セントラルルビアセア=文協合併20年目に=パラナ州

2006年2月4日(土)

 パラナ州ロンドリーナ郊外のセントラル・ルビアセア日伯文化協会(沼田政治会長)で現在、新しい会館の建設が進んでいる。ロンドリーナ奥地の日本人入植地として二百家族近くが暮らしたセントラル(中央)、ルビアセアの両植民地。一九八六年に文協が合併してから今年で二十年、現在は六十家族の会員で活動している。工事はほぼ終了し、三月二十六日の落成式を待つのみ。完成後はカラオケ大会などの催しに活用していく考えだ。
 ロンドリーナ奥地の植民地として戦前から日本人が入植してきた、ルビアセア、セントラルの両植民地。日本人会の歴史も古く、ロンドリーナと同時期の一九三四年ごろには会ができていたという。最盛期にはルビアセアで五十家族、セントラルに百三十家族の日本人が暮らした。
 戦後、ロンドリーナの発展拡大とともに、植民地も都会化し、現在では同市の一部になっている。両植民地の日本人会は八六年に合併、セントラル・ルビアセア日伯文化協会として現在にいたる。
 セアザの近くにある同協会の敷地は四アルケール。両文協が合併した際、市側と、市内にあったセントラル文協(当時)の土地を交換したものだ。敷地内にはゲートボール場が整備され、現在新会館と食堂の建設が進んでいる。
 「今の建物が古くなってきましたからね。大きいものを作れば、催しなんかもできますし」、セントラル・ルビアセア文協の沼田会長は会館建設のきっかけを振り返る。二十年前にも体育館の建設が計画されたが、その時は頓挫した経緯がある。二十年越しの会館建設だ。
 新会館は広さ十五メートル×四十メートル。正面には舞台が設けられ、ちょっとしたカラオケ大会も開ける大きさだ。審査員用の二階席も作られている。
 建設費用は、同協会が市内に所有していた土地を売ってまかなった。「いい左官に当たりましてね。チンタも安いものを探してくれたり、おかげで安くできましたよ」と沼田会長は笑う。
 同じ敷地内にある、現在の会館。かつてセントラル植民地にあった小学校を移築したものだ。
 平屋建ての校舎。入口には「セントラル・ルビアセア日伯文化協会」の古びた看板がかかる。中に入ると歴代の会長、かつての小学校の様子を写した写真が飾られている。今も週末になるとカラオケの練習などでにぎわう。
 沼田会長もこの校舎に通った一人だ。北海道出身の会長は五歳で家族と渡伯、セッテ・バラス植民地を経て三四年にセントラル植民地に入植した。「教室の場所ですか? 今でも覚えているものですね」と沼田会長。
 会館を訪れた日も数人の会員が練習していた。婦人の一人は「ここの文協は六十代、七十代が中心。新しい会館ができたら若い人にも参加してもらいたい」と期待を寄せる。
 新会館の落成式は三月二十六日。その前の十二日にすでに歌謡イベントの予約が入っているという。二十年越しの会館建設を実現した同文協。「みんなに喜んでもらえたらいいですね」、沼田会長は謙虚に語った。

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