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白球追って駆け回る=元〃野球少年〃元気に=72歳以上の第1回大会=ホームラン5本飛び出す

2006年3月3日(金)

 古稀すぎて、なおハツラツと――。七十二歳以上の野球愛好者による第一回オールドボーイ野球大会が去る二月二十八日、サンパウロ市のジガンテ球場で開かれた。州内の六クラブから三十九人の選手が参加。四チームに分かれて白球を追いかけた。最高齢の参加者はなんと八十二歳。試合ではホームランも飛び出すなど、年齢を感じさせない活躍に球場は沸いた。
 当日は、サンパウロをはじめスザノ、カンピーナス、サント・アマーロ、ABCなど近郊のクラブに加え、レジストロからも野球愛好者が参集。審判や各クラブの関係者を含め約六十人が集った。
 選手のうち、二人は八十歳以上。最高齢は八十二歳の納富よしとさんで、次が八十一歳の広瀬てるおさんだ。そのほかにも喜寿を過ぎた選手が多く参加した。
 参加者は四つのチームに分かれ、一試合六回のトーナメント戦を争った。外野までの距離は通常より短めの七十メートルだが、それでも五本のホームランが飛び出した。午前八時半から午後二時半まで、三十九人の元〃野球少年〃が、白球を追って休日のグラウンドを駆けまわった。
 このたび初めて開催された七十二歳以上の大会だが、すでに七十歳以上なら年に一度開かれている。高齢になるほど出場の機会も減ることから、このたびの新企画がだされた。「やはり練習だけではね。皆さん喜んでくれました」と世話人の一人、猪口光盛さんは語る。
 またこの日は、現在はクラブに所属していないが、かつての〃野球少年〃五人も参加したという。
 「皆さん元気で、最後までプレーしていましたよ。あきれるくらい」と話すのは、もう一人の世話人、大矢進貞さん。「当日は暑かったし、皆さんの健康は気がかりでしたが、いつもやっている人たちですから」と参加者のかくしゃくぶりを語る。一人体調の悪かった人はいたが、最後まで何事もなく大会を終えた。
 試合後、「元気で賞」「頑張ったで賞」「目立ったで賞」のそれぞれの個人賞を受けた人と、各守備で活躍した人たちにはプレミオが贈られた。
 この日優勝したチームの選手の名はプレートに刻まれ、球場の一角に残されるという。
 無事に終わった今大会。当初は年一回の開催を予定していたが、参加者からの要望で年二回に。次回は九月七日に行われる予定だ。「今回参加できなかった人も、ぜひ次の機会には参加してほしい」と世話人の二人は呼びかける。
 かつてのコロニア野球を知る、往年のプレーヤーたち。「今度はパラナでも大会を開いて、いつか全伯大会を開けるといいですね」と猪口さん。夢は広がる。

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