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日本刻字展で全員入選=ポ語の作品注目集める

2006年3月28日(火)

 ブラジルからの出品者が全員入選――。東京都美術館で今月開催された「第二十五回日本刻字展」で、ブラジルから出品した六人が全員入選の快挙を果たした。
 このたび入選を果たしたのは、書家を中心に活動しているブラジル刻字グループ(若松如空代表)の六人。委嘱作家の部で若松代表が日本刻字協会会長賞、一般公募の部では、小林月仙(秀作)、マリオ・ルッソ・ジュニオル、河原瞳、大塚弥生、鈴木素心(佳作)の五人が入賞した。
 刻字とは、のみと木づちを使って、板に文字を浮き彫り又は沈め彫りにして、金箔を貼ったり色付けを行うもの。立体書道と絵画的な要素を持つ。
 若松代表は「色と立体の要素が書よりもブラジルの感覚に合う」と刻字の普及に務めており、毎月第二土曜日の午後には茨城県人会で同グループの練習会を開いている。今回の全員入選について若松さんは、「漢字だけでなく、ブラジル語などの作品が注目されたのでは」と分析している。
 七年前から書道を始め、すでに四回、同展に入選を果たしているマリオさんは、「書道は集中、刻字には発展を感じる」とそれぞれの魅力を説明した。
 若松代表は、「今回の全員受賞はびっくりした」としながらも喜びを噛み締めている。

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