ホーム | コラム | 樹海 | コラム 樹海

コラム 樹海

 仕事柄、いろいろな団体の総会や理事会を取材する。その中で気づいたことがある。例えば、青年部と婦人部の存在感がだいぶ違う点だ▼島根県人会の総会後、新年会で出た婦人部の手作り料理はとても心のこもったもので、それを楽しみにか百人以上が出席。充実した婦人部の存在と、二世中年世代が家族連れで参加している姿は、層の厚みを感じさせ県人会の将来に安心感をおぼえた。その明るい雰囲気は何ものにも変えがたい▼長崎の臨時総会では侃侃諤諤(かんかんがくがく)の討論となり、傍目からみるとハラハラするぐらいで活気を感じた。県人会によっては議論や質問がまったくないところがある。会長の在任期間が長いほどその傾向が強い。興味深いのは、長崎の議事進行は日本語のみだが、二世理事も加わり、日ポ両語入り乱れた熱心な議論を展開していたことだ。二世が発言しやすい雰囲気は大切だ▼逆に、文協や百周年祭典協会の理事会は九九%ポ語で、最初の「日本語通訳が必要な場合は言ってください」だけ日本語。そんなことを言われても、いざ議論が白熱した時に水をさすようで言いづらい。もっとも通常の県人会総会では逆に「ポ語通訳が~」とやっているが…▼沖縄県人会の総会はかならずポ語通訳がつく。その分時間もかかるし、出席者も多いので、朝から夕方まで一日がかり。議論の活気、日ポ両語のバランスもいい。一世と二世ががっちり手を組んでいる感じがする▼いかに一世と二世が上手に共存するか。このノウハウは日本にもない。コロニアこそが先進地だ。(深)

06/04/06

image_print