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評議員会が異例の満場=文協=活性化へ一歩前進か=3委員会を立ち上げ=6月に臨時評議員会開催

2006年4月11日(火)

 ブラジル日本文化協会は八日、第百三十回定期評議員会を開催し、例年の約三倍が出席した。百周年事業推進委員会を席上で発足させたのに加え、財政再建、定款改正の二委員会を六月に予定されている臨時評議員会で立ち上げることを確認。〇五年度事業、会計報告、〇六年の調整済み事業計画案および予算案の審議及び承認も行なわれた。文協再建へ向け、評議員会主導の新しい意気込みが示された。同日午後、第五十回定期総会も行われたが評議員会と内容はほぼ同じで、昨年最大の行事のはずの五十周年記念の報告は、特になかった。
 文協ビル一階の十三、四会議室で開催された評議員会には、全百五十人の約半数の七十三人(うち二十一人は委任状)が出席、異例の満場となった。例年は二十五人ていどの出席しかない。これは一部の評議員らが文協活性化の必要性を訴えた意見書を事前に配布したためと見られる。
 司会の大原毅評議員長のあいさつに続き、昨年十二月に急逝した峰村康評議員に対し、一分間の黙祷を行った。
 武用サムエル予算企画担当理事が〇六年度の調整済み予算案の説明を行った。収入百九十万九千百七十五レアルに対し、支出が百八十八万八千百六十一レアルで、残高は二万一千十四レアルだった。
 文協最大の課題の一つ、INSS罰金問題に積極に対処するため設置された社会福祉委員会。昨年、予算は組まれたが実際に使うことはなかった。今年度も改めて五万レアルが組み込まれ、具体的な解決への取り組みが行われることが確認された。
 新しいイベントは五月の「子供の日の文化芸術」で、ほか、特に目新しい事業は発表されなかった。
 昨年度の事業報告を伝田英二会計専任理事が〇四年度からの実績と照らし合わせて説明、委員会収入が百二十二万レから九六万レに減っている理由について、文協選挙により委員会活動が停滞したことを挙げた。
 現在の会員数の提示を求められた中島事務局長は、現在の会員数、三千五十九(〇五年末まで)のうち一千三百六十五会員が未払いであることを挙げた。選挙中に、一時的に増えた千人を超える新会員の約半数が選挙後に脱会したことも報告した。
 伝田理事はこれについて、会員収入が二十八万レから四十二万レに増加しているものの全体的に見れば、経済的選挙効果はなかったと総括。昨年末までの文協の所有する不動産評価額は、二千四百八十六万レであることにも触れた。
 財政再建、定款改正、百周年事業推進の三委員会を六月の臨時評議員会で立ち上げることが議題に上がったが、渡部和夫顧問は「百周年委員会に関しては急を要するので、今決定してもいいのでは」と提案、尾崎守、田辺豊太郎、五十嵐司の三評議員が任命され、大原評議委員長が他の委員を推薦することになった。 
 矢野敬崇評議員が「文協は沈没しそうになっている。これから承認すべき予算、事業案をすでに『コロニア』(文協機関誌)に印刷して配布するのはいかがなものか。委員会を作るのはいいが、動きが止まっているのが現状」と厳しく批判する場面も見られた。
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 同日午後一時から、第五十回定期総会が開催され、百六十人(うち七十一は委任状)が出席、評議員会同様、〇六年度事業計画、及び予算案の追認、〇五年度の事業報告、会計報告が行われ、承認された。

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