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バストス=第一回の日系フェスチ=日本文化継承を旗印に

2006年4月12日(水)

 今月七日から九日の三日間、サンパウロ州バストス市で、日本文化の継承を旗印とした第一回日系フェスチ(主催=バストス市役所、バストス商工会)が開催され、会場のバストス市営展示場は、三日間で約一万五千人の人出でにぎわった。
 移民百年に向けて企画されたこのイベントは、すでに市議会で町の正式な行事に指定され、来年以降の継続的な開催が決まっている。
 メイン会場は、ショー、食事、展示の三つのコーナーに分けられ、文協婦人会、柔道、病院、文協日本語学校など、バストスの日系団体が中心となって各セクションを盛り上げた。
 教室を再現した日本語学校は、折り紙、習字、将棋、七夕飾りなど、見るだけではなく参加できる企画が受け、展示コーナーでもっとも人を集めていた。
 JICA青年ボランティア日本語教師の亀萌実さんは、「日系人以外の人に関心を持ってもらえたことが意外だった。これをきっかけに学校にも来て欲しい」と話す。
 主催のバストス商工会(ACIB)は、バストスの若い日系人を中心とする組織で、今回のような大きなイベントを取り仕切るのは初めて。
 ダリオ森重会長(36)も認める通り、経験不足のせいで準備や運営が円滑に進まない面もあった。開催前々日に出展を依頼された業者もある。これには、主催がACIBに決まり本格的な準備がはじまったのが三月になってからだったという事情もあった。
 バストス最大のイベントである卵祭りを主催してきたバストス日系体育文化協会(ACENBA=真木勝英会長)は今回直接イベントにはかかわらず、若手の奮闘振りを見守ってきた。
 役員のひとりは、「次世代を担う人が、こうしたイベントを主催することは、日系人としてのアイデンティティを確認する機会になる。バストスにとって意味のあることだ」と評価する。一方のダリオ会長には「今後はやはり経験豊かなACENBAの力が必要」との思いが強い。
 バストス日系人の世代を越えた協力関係があれば、将来的に卵祭りに匹敵するイベントに育つ可能性もあるだろう。

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