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演芸の弟子たち祝う=浪曲師片岡燕若さん米寿

2006年4月20日(木)

 [ロンドリーナ]ロンドリーナ市の片岡嘉輔さん(芸名燕若)の米寿(八十八歳)祝賀演芸会が、去る一日午後一時から、最近落成したばかりのセントラル・ルビアセア会館で行われ、指導を受けた生徒、約百名が参加し盛大だった。
 片岡さんは、浪曲界では、日本からのプロだった東家燕真師の指導で、一九六六年、全伯浪曲大会で優勝、七二年には名人位を獲得、曲師としての才能も発揮。また演劇部門でも抜群の指導力で、ロンドリーナ芸能界の発展に寄与した。さらに、カラオケブームの到来で、カラオケ教室を設け、三百名の生徒を擁した時期もあった。近年は、カラオケの指導から、三味線、太鼓の指導にあたっていたが、体調を崩してから、家族の要望もあって、休養中である。
 祝賀芸能界は、発起人の一人中川芳則さんが司会を務めた。まず片岡さんの芸歴と功績をたたえて開会、鈴木勇アセル会長、蓮田親友会会長(演劇代表)、村上舞踊会を代表して徳常和子さん、太鼓部を代表して広田千恵子さんがそれぞれ祝辞を述べた。
 その後、あすなろカラオケ会長の駒井英雄さんが参加者を代表して、記念品を贈り、拍手の中、バラベンスの歌が、新会館にこだました。これに合わせて、片岡さんによって誕生祝いのケーキが切られ、全員に配られた。
 このあと芸能プログラムが組まれ、生徒たち、約六十名によって、歌謡、民謡、浪曲、お笑い劇が気楽な雰囲気の中で展開された。最後に、笹原実さんら太鼓部の勇ましい太鼓のバチさばきによって盆踊りが午後五時半まで行われた。
 すべての芸能を終えて、片岡さんも「こんなに祝ってもらうとは、想像もしていなかった」と感激の涙をにじませていた。(中川芳則通信員)

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